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2話

 さて、やって参りました異世界初の町。

 名前は知らない。

 入るときに門の近くに居た兵士のような人が言ってたような気がするが興味がないので、覚えてない。

 町の中に入ると、先ずは何よりも酒場を探す。

 あそこは情報量が凄い。

 あそこに行けば知りたい知識などすぐに手に入るだろう。

 丁度、近くにに昼間から賑わいのある酒場があるので入ることにした。


 酒場の扉を開けると喧騒が外よりも凄かった。

 あちこちで、剣を持った男共がわいわい話している。

 男だけではなく、女も居た。

 しかし、この雰囲気は少し懐かしかった。

 魔物狩りのグループでの打ち上げのときに少し似ているのだ。

 ようは戦いを生業にする人たちの語り合う場所ということだ。

 アルレイトは男は目をギラギラさせて獲物を見極めるような目で見ているので、一人で静かに飲んでいた女の騎士に話しかけた。


 「少しいいですか?」

 

 一応、見た目は年上っぽいので敬語で話しかける。

 よく、仲間には侮られるから強気で行かなきゃと言われていたが目上の人を敬うことは大切なので、ちゃんと敬語を使っている。


 「何か用?」


 女の人は抑揚のない声で、顔も向けずに聞いてきた。

 まあ、実際知らない人さらに異性から急に離しかけられたらこんな態度でも仕方ないとも思う。

 少し、心にきているが。

 まあ、ここは一先ず落ち着いて、知りたいことを聞いてみる。

 

 「…………」

 

 (やっべー、どう聞けばいいんだろう。私記憶喪失なんです。か、それとも俺ってば馬鹿だから常識がわからないんです。で言ってみるか。)


 「どうしたの?」

 「いえ、この世界の常識がわからないので知りたいなぁと思ってまして」

 「常識?この世界?」

 「あ、えっと。あははは」


 (最初から躓いてしまった。)

 これからどうしましょ。

 (違う酒場探して、人を変えて聞いてみるしか……。 その前に、ちゃんと聞き方考えないと。)

 とか、考えていると女性が始めてこちらを見て話しかけてきた。


 「それなら、冒険ギルド言ってみるといいよ。あそこならわからないことがあったら教えてもらうことも出来る。それに、お金必要でしょ。働き口もないようだし、冒険者になれば私でも付き添って上げられるし。お金も稼げる。どう?」


 なんて、優しい人なんだ。

 もう少し若いころの俺だったら勘違いしてころっと惚れてしまっていただろう。

 凄い無表情だけど。


 「その、よろしくお願いします」


 その後、会計を済ます女性を待ち、女性についていき冒険ギルドなるところに向かった。



 冒険ギルドはかなり大きな建物で、目印といえば玄関前に立っている盾と剣が描かれた旗があるくらいだ。

 俺がそれを見ていると女性が冒険ギルドのマークだと教えてくれた。

 お礼を言うとすぐに女性は冒険ギルドの建物の中に入っていた。

 俺も、慌ててそれに続いた。

 


 中に入ると、これまた武器を持ったおっさんがいっぱいいた。

 いや、ちゃんと女の子や、青年も居るよ。

 だが、おっさんが目立つのだ。

 上半身裸で闊歩してるおっさん。

 酒瓶を持ち赤い顔をしてふらふらと歩くおっさん。

 金髪で長さが50cmほどありそうなモヒカン頭のおっさん。

 など、印象的なのおっさんが多いのだ。

 後は、頭に獣みたいな耳をつけた者や、尻尾を生やした者、耳が長いものなどもいる。

 最近流行(と言っても俺が前の世界で生きてた頃のことだから結構前なのだが)のコスプレという奴だろうか?

 そんな、ことを考えているとなにやら女性に呼ばれているみたいなのでそちらに向かった。


 「この人はこのギルドの受付嬢のネーシャ。ネーシャ、この少年はこれから冒険者になりたいらしい。あと、常識が知りたいって言ってた」

 「はあ、ジルさんが世話を焼くなんて珍しいこともあるものですね」

 「遠まわしに私に皮肉を言ってる?」

 「いえいえ、ただの率直な感想ですよ。それで、そこの君は常識が知りたいんだって?」

 「はい。まあ」

 「おかしな人も居るね。何年かここでやってるけど常識が知りたいって言ってきた人は君が初めてだよ」

 「すいません」

 「いえいえ、それじゃまず冒険者登録済ませちゃおっか。後数分で私も今日の仕事は終わるかその後に場所を移して話そう」

 「はい。ありがとうございます」

 

 俺の言葉に笑顔を返して、受付の女性は奥に何かを取りに行った。

 少しして、戻ってきた受付の女性は紙とペンそれに、何かわからない玉をもってきた。


 「それじゃ、まずこの紙に必要事項を書いてほしいんだけど……字書ける?」

 

そりゃ聞かれるわな。常識知りたいとか聞いてるし。


「多分大丈夫です」


神さまが言葉と字は不自由がないようにしてくれるって言ってたしな。


「そう?」


そうですよね。

変ですよね。

気にしないでください。

俺は名前を書き、使う武器も書く。

しかし、次で戸惑った。


「あの……ステータスのとこの、レベルって言うのがわからないんですけど……」

「あ、ああ。なるほど常識が知りたいってそういうことね」


ああ、なんか今ので常識が知りたいわけがわかったようだ。

ステータスって言うのは常識なのね。


「ステータスって言うのは、念じれば出てくるんだけど……。これは大体子供の頃に教えられることなんだけど?」


常識の中でも、トップクラスのものでした。

すいません。常識知らなくて。

俺は早速言われた通りにステータスと念じてみる。

すると、目の前に半透明な何か(・・)が出てきた。

そこには名前とレベル。HPとMPとわけわからずのものに装備しているものと所持品。さらにスキルと魔法と言うものまで書いてあった。

スキルの欄には《マップ》としっかり書いてある。


「確かに、出ました。」


閉じろと念じると消えたので、使い勝手は大体同じなのだろう。

俺は、レベルを書くとその紙をネーシャに渡す。


「はい。それではこの魔法石に触れてください。」

「えっと、これは何ですか?」

「これは、犯罪歴がないかどうか調べるのと、その人の実力を大体割り振ってくれるものですね。っと、もういいですよ。」


アルレイトが手を避けると、その情報を読みネーシャが目を丸くして固まった。


「どうかしましたか?犯罪歴が出たんですか!?俺そういうことはした覚えがないんですが!?」

「あ、いえ違います。実力がいきなりDとなっているので驚いているだけです」

「そうですか。それなら安心しました」

「いや、安心できることじゃないんですけど……」


ネーシャが小さい声で何か言っていたが周りの喧騒のせいで聞き取れなかった。

一先ず、いきなりDからはきついだろうということで一つ下のEからということになった。

また、ネーシャは紙と玉を持って奥に行くと、今度はすぐに帰ってきた。


「はい。これが冒険者の証明証のギルドカードよ。今回は初だからお金は取らないけど再発行のときはお金必要になるからなくさないようにね。」

「わ、わかりました。」

「それと、ここに血を垂らして。それで、これがあなた専用になるから。」


アルレイトは言われた通りに血を一滴ギルドカードに垂らすと、血はすぐに吸い込まれ黒色となった。

ランクによって素材が変わるらしく。

Fの青銅から始まり、Eのダマスカス鋼、Dの銅、Cの銀、Bの白金、Aの金、Sのヒヒイロカネ、SSのダイヤモンド、SSSのミスリル、REGレジェンドのオリハルコンだそうだ。


「それでは、冒険ギルドを出たところにいてください。あと、ジルさんがあそこで暇そうにしているので一緒にお願いしますね。」


少し離れた所にあるソファーに座っている女性のジルを指差してそう言うとすぐに奥に行ってしまった。

俺は、ジルさんのとこに行き言われたことを伝えると、一緒に冒険ギルドの外に出た。

数分待つと、中からネーシャが出てきた。


「それじゃ、行きましょうか。」


ネーシャのその言葉に頷き、歩き出したネーシャにジルと並んでついていった。


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