↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者ですが孤児だったので、活字拾いでなんとか生きています!  作者: 小鳥遊 郁


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
87/89

87 活字拾いの娘、地図を見る

 だんだんと寒くなってきたなと思う頃、アレックから呼び出しがあった。

 ずいぶん前に頼んでいた地図を見せてくれると言うので、ヴァンと二人で個室のある食堂で待っている。

 ここはアレックがいつも利用する食堂で、貴族街の近くにあるのでいつもよりお高い服を着ている。ちなみにコメットには話していない。アレックが三人でと言うので仕方ないのである。


「ヴァンは地図見たことあるんだよね」


「ああ、昔大きなのも見たし、冒険者ギルドにも簡単な地図ならあるからな」


「ふぅん」


 実のところ地図はガッテン街と王都にくるまでの簡単なものしか見たことがない。平民だからそんなものだと思う。でも最近気になってきたのだ。この世界の大きさとか、今住んでいる国は世界のどのあたりに位置しているのか。ただ飛行機もないわけでどこまで正確な地図なのかは疑問ではある。そういえば元の世界で初めて世界地図を見た時、日本がどこにあるのか分からなかったっけ。だってあんなに小さいとは思わなかったからね。


「すまない、待たせた」


「そうでもないよ、美味しいお茶も飲めたし」

 

 紅茶の葉は買えないわけではないけど、私が入れるとこんなにはおいしくならないのだ。だからアレックを待っている間に出された紅茶はもう二杯目だ。今度はミルクを入れて飲んでいる。


「そんなに飲んでたら、食事が全部入らないくても知らないぞ」


「大丈夫、大丈夫。食事は入るところが違うから。それで地図は?」


 これ以上説教される前に話題を変える。アレックはヴァンと違って小うるさいからね。


「そうだな食事が来る前に見た方が良いな」


 アレックが手に持っていた紙をテーブルの上に広げる。


「うわぁ、これはすごいな」


 ヴァンが声を上げた。色付けもされている地図は確かにすごい。知らない国がたくさん書かれている。海や川、広大な森、全然知らない世界だ。やっぱりここは前世とは全く関係のないなのだと実感した私はただ黙って地図を見ていた。


「どうしたシーラ? 地図の見方がわからないのか?」


 私があまりにも静かだったので、アレックは地図の見方がわからないと思ったようだ。


「前世で見た地図の方が細部まで丁寧に描かれていたけど、こっちには空から見ることもできないのにすごいなって思う。うん、すごいよ」


「空から、見る?」


「ヘリコプターとか飛行機とか鳥みたいに飛ぶことができる乗り物があって、そこから地上を見たりできるの」


 流石に衛星のことは言わなかった。説明するのが難しいし、異端すぎる気がしたからね。


「ああ、鳥の目を利用する冒険者がいるって聞いたことがあるな」


「そんな冒険者がいるのか? それも魔法なんだろうな」


 魔法を使うのって、漢字を媒介にしているからこの場合どう言う魔法なんだろうか。


「だがシーラの前世は、空を自由に飛べてたのか。蒸気機関車とか蒸気船の話は聞いたことがあったが、空まで飛ぶのか」


「そうだよ。飛行機には何百人も乗れるのもあって、移動にも時間があんまり掛からないんだよ。海だって見ようと思ったらすぐ見れたんだけど、こっちの世界だと馬車だから何日もかかりそう」


 地図をよく見ると私たちが住んでいる国にも海があった。でも私が海の魚を見たことがないのも当たり前で、かなり遠い所だった。


「なんだ、シーラは海が見たいのか?」


「見たいし、食べたい」


「海を食べるのか?」


「違う! 魚が食べたいの!」


 川魚は食べたことある。でもやっぱり魚は海の魚だよ。

 地図を見たかったのも海が近くにないか確認したかったからでもあある。残念ながら今世は海の魚は食べれないみたいだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。