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転生者ですが孤児だったので、活字拾いでなんとか生きています!  作者: 小鳥遊 郁


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88 活字拾いの娘、海の魚を食べる

 アレックが地図を片付けるとすぐに食事が運ばれてきた。

 どこかで見ていたかのようなタイミングだったので思わずキョロキョロとカメラがないか確認してしまった。この世界に監視カメラなんてないのに。なんか監視カメラの代わりになるものがあるのかも知れない。


「魚なのか?」


 ヴァンの声に机の上を見ると皿に鮭のムニエルが!

 あれ? 鮭ってこの世界にもいるんだっけ?


「こちらは鮭の香草バター焼きでございます」


 やっぱり鮭なんだ~う~ん良い匂い。


「シーラが魚を食べたいって言うから、今日はこの店にしたんだ」


 アレックが得意げに胸を逸らしている。なんでこんな高そうな店でって思っていたら、魚料理を食べさせてくれる店だったみたい。


「アレックありがとう。やった~魚だ~ふふふん。 魚、さかな、魚~魚を食べると~」


 嬉しくて思わず前世の魚の歌を歌っていた。だってこの世界で食べた魚って川で泳いでいた鮎みたいな、でも鮎とは比べ物にならないくらい泥臭い魚だ毛なんだよね。何故かガッテン街の川で釣れる魚は不味かった。でもヴァンたちは孤児院での食事だけでは足りなかったみたいで、焼いて食べていたけどね。私も一回だけヴァンが持ってきたから食べたけど、2回目は断った。


「おい、シーラ、魚のどこが良いんだよ。お腹は膨れるけど不味いじゃないか」


「ヴァンが食べていたあの名もない魚と違ってこれは美味しいと思うよ」


「名もないって、ギメライだろ。ギメライ不味かったよな。これは本当に美味いのか?」


 ヴァンは行儀悪く、魚をフォークで突いている。


「要らないのなら、私が食べるよ」


 私がヴァンの皿に手を伸ばすと、私に取られるのは嫌なようで皿を私から遠ざけた。


「いや、食べるよ」


 ちょっと嫌そうな顔をしながら、口に入れた。そんなに嫌なら私にくれれば良いのに。


「おっ、美味しい。魚も美味しいんだな」


 ひとくち食べるとヴァンの嫌そうだった顔が満面の笑みに変わったいた。


「だから言ったでしょ。でも塩焼きに醤油を少しかけて食べるのも良いのよ~」


「しょうゆってなんだ?」


「まだ見つかってない調味料。いっそ作っちゃおうかなぁ」


 作り方は知っている。今までは材料とお金がないから諦めていただけだ。


「作れるのか?」


「多分ね。大豆は見つけたから作ろうと思えば作れる」


 そうこの間、大豆を見つけたのだ。米を売っている店で売っていた。ガッテン街の米を売っている店にはなかったんだけど、王都の店は他にも小豆も売っていた。大豆があるんだから醤油も味噌もあっても良いのに。


「それにしてもこの魚ってどこから釣ってきたんだ? 海のある街まで3日は馬車でかかるだろ?」


「聞いたことはないけど、おそらく魔法鞄だろうね」

 

 この間アレックにもらったあれかぁ。あれなら時間経過もないから魚も腐らないよね。でもあれって王都に家が買えるくらい高いのに、あれで仕入れするなんてこの店って、私が思っているよりずっとお高いのではないだろうか。

 私は次にいつ食べれるかわからない魚を急いで食べた。美味しすぎる。


「おかわりをお願いします」


「シーラ、他の料理も運ばれてくるから。おかわりは全部食べてからにしよう」


「他にも?」


「そう、確か次は海老料理だったはずだ」


「えびキタ~~~~」


 残念なことに海老の歌はカッパえびせんの歌しか思い出せなかったので歌わなかった。


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