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転生者ですが孤児だったので、活字拾いでなんとか生きています!  作者: 小鳥遊 郁


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53 活字拾いの少女、商業ギルドに行く

 シーラ商会の立ち上げに関係して、書類を書いたのは覚えている。それで終わったことだと思っていたら、商業ギルドに行かなければならないらしい。

 商業ギルドかぁ。どんなところか興味はある。


 そして今日は給金をいただける日でもある。給料日だ。初めての給料日。

 ガッテン街の活字拾いはアルバイトのようなものだったので、日払いだったのだ。


 ということでクラウスも一緒だ。クラウスも今日は給料日だからね。


「えっ? 金貨一枚ですか? 多くないですか? 俺まだあんまり働いてないですよ」


「クラウスは日数は少ないけど、組版作業をやってくれているからね。あれは出来高制にしているの。みんなやりたがらないのよ」


 そういえば前にそんなこと言ってたかも。すっかり忘れていたよ。それでもやっぱり苦手だからクラウスに任せたい。


「これからも頑張ります」


 クラウスがやる気になってるよ。お金の力ってすごいよね。


「こちらが商業ギルドカードになります。魔力を通してください」


「はい」


 クラウスはギルドカードを手に取って受付嬢に返事をしている。


「魔力を通す?」


 クラウスがカードを手にして、目を閉じて何かしているのを横目で見ながら、私も同じようにカードを手にとる。どうやって魔力を通せばいいのかな。

 だが心配はいらなかった。何もしていないのに、手にした途端にピカッとカードが光った。


「あら、シーラにも魔力があったのね。まあガッテン孤児院出身だから有りかしら」


 手に取っただけで、魔力を通せたようだ。やり方とか分からなかったからホッとしたよ。


「魔力を持っていなかったら、カードを作れないですね」


「魔力がない場合は、血を使うのよ」


 なるほど。そう言えばましろと契約した時も血を取られたっけ。


「シーラ様にはこちらのカードにも魔力での登録をお願いします。こちらはシーラ商会のカードになります」


 もう一枚のカードを渡される。それも手にした途端にピカッと光った。魔力を通す必要がないってどうなんだろう。やっぱりまだ漏れているのかな。


「商業ギルドカードは身分の証明にもなります。魔力で本人確認もできるんので安全です。口座機能もあるのでシーラ商会での取引は個人のカードではなくこちらの商会のカードでの取引きをお勧めします。その方が税金の支払いがスムーズにできますし、間違いが起こりません」


「これって銀行みたいにお金を預けることができるのですか?」


「ぎんこう?というのは何でしょうか? 」


「いえ、えっと、お金を味けたり引き出したりできるのですか? もしかして預けていたら利息がつくとか?」


「預けているだけでは、利息はつきません。どこかの商会に投資して利益や利息を得る方法もありますが、そちらはまた紹介させていただきますね」


 いや投資とか全然考えていないから紹介はいらないです。なんかこの受付嬢は危険だ。全部お任せしてしまいそう。クラウスは真面目な顔で頷いているから、後で注意しておこう。投資は失敗する場合もあるからね。


「こちらの商会のカードには全ての取引の履歴なども保存されます。あと商業ギルドからの依頼や配送状況などの確認もできます。あとどちらのカードにも言えますが、預金の預け入れや引き出しもあちらの扉の中で行われています。本人の魔力で確認されますので他人には使うことができません」


「預け入れ金額の確認はどうするのですか?」


 クラウスが質問している。確かにカードだけでは確認できないよね。通帳とかないのかしら?


「確認もあちらの扉の中の窓口で行っています。取引履歴が欲しい場合は半銀貨でお渡ししております」


 やはり通帳とかはないらしい。半銀貨はもったいない。


「もしカードを紛失した場合はどうなりますか?」


「本人でないと預金を引き出すことはできませんからご安心ください。ただカードの再発行には金貨一枚かかるので、ご注意ください」


 金貨一枚! 私とクラウスの顔は青くなった。急いでポケットに隠したよ。今度財布と鞄を買いに行こう。ショルダーバッグみたいなのが欲しいな。


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