40 活字拾いの少女、仲間とお昼ごはんを食べる
とりあえず、探索をすることにした私たちは昼頃まで、角ウサギを狩ったり、薬草を採取した。
「お昼ご飯を作ってきたの」
「ま、待て、シーラ。まさかおむすびじゃないだろうな。アレックはあれでも侯爵家の人間だぞ。家畜の餌を食べさせたら、斬首されるぞ」
「やだなぁ、ヴァン。私はそんなことしないよ」
あれ? アレック、私に戻ってるよ。やっぱりおむすびは危険だ。おむすびは私が食べることにしよう。
「今日の昼ごはんは【ハンバーガー】よ」
「また変なものを。なんだその【ハンバーガー】というのは? ヴァンは食べたことがあるのか?」
「いや、俺はいつもおむすびを食べさせられてるから……」
それを聞いたアレックは何故か、ヴァンの肩をトントンと叩いている。
「これは昨日肉屋さんで切り落としの肉を売っていたから、それを使ってハンバーグを作ったの。それをパンに挟んだのよ。美味しいから食べてみて」
「なんの肉だ?」
「ホーンボアだよ」
ホーンボアと聞いて、アレックは安心したようだ。昔、ミミズの肉を食べさせようとしたことがあったっけ。あれ栄養食になるんだよって言ったのに、絶対に嫌だって食べなかったんだよね。せっかく掘ってあげたのに。
ちなみにヴァンは食べた。今でも食べてると思う。だって冒険者では食べてる人多いからね。ちなみに食用みみずは普通に売っている。
「よし、じゃあ食べよう。昔は異世界の食べ物の話を聞いてるだけだった。いつか食べたいと思っていたんだ」
「えっ? なんで異世界の食べ物だと思うの?」
「ハンバンガーなんて食べ物聞いたことないからに決まっているだろう」
「そっかぁ。でも違う名前でこれと同じものがあるかもね。簡単に作れるものだから」
そうハンバンガーなんて、ただハンバーグをパンで挟んでいるだけの簡単な食べ物。ただちょっとソースにはこだわってみた。甘酸っぱい特製ソースをたっぷりハンバーグに絡めて、レタスと似たような野菜と一緒に丸いパンを横に二つに割って、挟んだ一品だ。この丸パンは結構なお値段だ。本当はもっと安いパンにしようかと思ったんだけど、お貴族様のアレックがいるからね。奮発したんだ。
二人に渡す前に【加温】の魔法を使ってハンバーガーを温める。
「これは! ホーンボアの肉の甘みが肉汁にもあふれていて美味しいな」」
「なんだこの旨味は? いつもこれで良いのにな」
ヴァンが何かぶつぶつ呟いているけど、スルーだよ。いつもいつもお高い丸ぱん使ったハンバーガーは持ってこれないよ。
私は今朝作るときに味見をしているので、おむすびを食べる。おむすびの中にホーンボアの肉を特製ソースで絡めて焼いたのを入れているから、ご飯に味が染みて美味しい
これも美味しいのに。どうしておむすびのおいしさが伝わらないんだろう。
「おむすびのおかわりはあるからね~」
二人ともチラッと私とおむすびを見たが、手は上がらなかった。
やっぱり海苔がないからだろう。見た目が悪いからだよ。よし、海苔を探そう。




