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転生者ですが孤児だったので、活字拾いでなんとか生きています!  作者: 小鳥遊 郁


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11 活字拾いの少女、冒険者ギルドへ行く

「ここが冒険者ギルド?」


 冒険者ギルドは想像していたよりずっと大きな建物だった。

 こんなに立派な建物だとは思わなかった。もっとこう木造で酒場とかあって、ガラの悪い連中が飲んだくれてるイメージがあったんだけど、全然そんなことなかった。


 広くだけでなく、天井も高い。いや天井が高いから広く見えるのか。室内ということもあってか昼間なのに魔石灯が照らしているから明るい。

 冒険者らしき人も多くいる。この中からヴァンを探すのは無理な気がする。

 人が多すぎる。ギルドに来れば会えると簡単に思っていた。

 

「シーラ、先に護衛依頼の完了を知らせてくるよ」


 アーニャは私に手を振ってから受付の方に歩いて行った。

 そうだった。アーニャは親切にも私に付き合ってくれただけで、馬車の護衛の人だった。護衛が終われば、ギルドに知らせないといけないのだった。本当に親切な人だ。


 ヴァンも護衛とかで王都を離れてるかもしれないな。どうしてここに来れば会えると思っていたのか。

 悩んでいるとアーニャが帰ってきたので相談する。


「それなら伝言を残してしておくと良い。冒険者は必ずギルドで受付けを通すから知らせてくれるよ」


「そうなんですか?」


 アーニャの紹介で、受付を通してヴァンに伝言を残すことができた。


「シーラは冒険者登録はしないの?」


「はい。私は魔物退治とか苦手なので」


 アレックに魔法の使い方を学んでいるとき、魔物退治もしたことがある。魔法を使うから魔物を退治はできた。自分でも驚くほど簡単だった。まあ退治した魔物はそこまで強い魔物ではなかったけどね。解体も解体魔法を使えば簡単で、手を汚したりもしていない。だから魔物退治にそこまでの忌避感はなかった。

 角ウサギは凶暴で素早いから、退治するのは仕方ないってわかってるんだけど、死体になった角ウサギって凶暴さがなくなってるから、かわいそうに見えちゃうんだよ。モフモフだし。

 なんか罪悪感を刺激されるから冒険者になるのは諦めた。


「魔物退治だけが冒険者の仕事じゃないけど、全くしないと階級上がらないものね。就職が決まっているのなら、ならなくて正解ね。でも万が一そこで働けなくなるようなことがあったら、私も力になるから相談に来てね」


「どうしてそこまでしてくれるんですか?」


「女性が働くって大変なのよ。そもそも働き口少ないし。それでも両親や旦那がいなかったら働かなければ生きていけない。私もあなたと同じで両親が亡くなっているの。だけど働き口はないしで困っている時、冒険者やってる知人に助けてもらったの」


「それって今の旦那さんのことですか?」


 宿屋に一緒に泊まっている時に、旦那さんの話を聞いたんだけど、冒険者を一から教えてくれた人だって言ってたんだよね。


「そうよ。今度合わせてあげるわ。彼の方が冒険者ランクが上で、今指名依頼で隣国に行ってるから留守なのよ。だから簡単な依頼だけ受けてるの。早く彼と一緒の階級になりたいから休んでられないもの」


 そのおかげで私はアーニャさんと出会えたってわけね。


「それでこれからどうするの?」


「ガッテン工房の寮に行きます。紹介状もらっているので、入寮できると思います。ほら地図もあるのでわかると思います」


 私がセイラさんからもらった地図を見せると、アーニャさんは眉を顰めた。


「これは結構遠いね」


「王都ですよね?」


「ああ、でも今いるのは西地区で、冒険者ギルドや商業ギルド、宿屋、商店がある場所なんだ。この地図の場所は南地区にある職人街になるな。よく考えたら工房というのだから南地区になるよな。ただ南地区までは結構な距離だ。乗り合い馬車に乗った方がいいな」


「乗り合い馬車?」


「ああ、王都では騎士地区のある北門(ここに王宮もある)、貴族街のある東門、職人街や市場がある南門、今私たちがいる西門の間を走ってる乗り合い馬車がある。歩いて移動する人たちもいるが時間がかかるら利用している人も多い。今日は荷物もあるから乗り合い馬車に乗った方が良い」


 アーニャさんは戸惑っている私に、王都の街がガッテン街よりすごく広いのだということを説明してくれた。そして乗り合い馬車の停留所にもついてきてくれた。馬車の運賃は一律、二銅貨。乗る時に渡すようになっている。

 そこでアーニャさんとは別れた。


 南門に到着した私はガッテン活字工房の寮がある場所を歩いている人に尋ねた。

 地図? 簡単すぎてわからなかったのだ。アーニャさんに乗り合い馬車のことを聞いてなかったらもっと迷っていただろう。


 王都の中にある工房だからか、ガッテン街にある工房より規模が小さい気がする。工房から少し離れた場所にあるのが寮だった。男子寮と女子寮に別れていたので、女子寮の方に足を向けた。

 


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