3/4
未完成:2 母の味。
コンコン、と部屋の扉をノックされる。
「…………紫苑?」
母の声だ。
朝ごはん、だろうか。もう十時すぎだし流石にお腹が空いている。
「お母さん、ごめん。良かったら部屋の前に置いておいて」
学校には行っていないが、していることはある。
ありがたいことに、母もそれを認めてくれている。
「分かったわ。ちゃんと食べてね?」
「うん」
ドア越しの会話。
最近は当たり前になっている。
母の階段を降りる音を聞いて、ドアを開ける。
今日はオムライスか。
母は、私の好物をよく知っている。
もしかしたら本人以上に。
「おいしい……」
綺麗にたいらげ紙に美味しかったよ、と書き
皿と一緒にドアの前に置いておいた。
母には感謝しているけれど、これが正しいとはどうしても思えない。
私は一体どうするべきなのだろう。




