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2

〜〜〜


「ほら、ジーク。遠慮すんなって」


ジークの空になったグラス。

そこに水を注ぐ、アレン。


「今日は俺が奢ってやるからよ」


「いっぱい飲んで、食ってくれ」


アレンの優しさ。

それにジークは応えた。


「あ、ありがとう」


今まで見たことのない笑顔を自らの顔にたたえながら。


その光景。

それを離れたテーブルから見つめる、三人の姿。


曰く。


「ねぇ、なんか変じゃない?」


不満げに。

ストローで水を啜る、ココネ。


「うん、わたしもそう思う。アレンの奴……いきなり変わりすぎ」


頬杖をし、マリアはアレンとジークを見つめる。


「ついさっきまで」


「あいつはいらねぇ。追放だ……って言ってた奴の態度とは思えねぇ。ぜってぇなにか裏があるに違いねぇ」


吐き捨てる、ゴウメイ。


三人は顔を見合わせる。


そして。


「ねぇ、もしかしたらさ」


「アレンのやつ」


「ジークに弱み。握られてるとか?」


「それ、それよ」


同時に頷く、三人。


「こうなったらさ」


「探り。入れてみない?」


「賛成」


笑い合う、三人。


だが、そこに。


「おいッ、お前らもこっちに来いって!!」


アレンの声が飛ぶ。

側には、幸せそうなジークの姿。


それに、三人は作り笑顔をつくる。


そして。


「あッ、あぁ!! 今、行くぜ!!」


「も、もう。アレンったら、ハメはずしすぎよ」


「ジークもだよっ。アレンといっしょに盛り上がりすぎ!!」


ゴウメイ。マリア。ココネ。

その三人は、アレンとジークの元へと向かう。


笑顔で。

しかし、その内心で疑念を抱きながら。


〜〜〜


店を出、宿屋へと戻る道中。


ゴウメイはジークと肩を組み、仲良く先を進む。

勿論、それはゴウメイの演技。


そして。

 

「ねぇ、アレン」


「ねぇ、ねぇ。アレン」


「な、なんだよ」


マリアとココネ。

その二人に両脇を挟まれる、アレン。


「あなた。なにか隠してるでしょ?」


「ぜったい隠してる」


「な、なに言ってんだよ。俺はなにも」


戸惑う、アレン。

顔は汗だらけ。


「そそそ。それより、はやく行こうぜ。二人に置いてかれちまう」


「置いていかれてるのは」


「わたしたち」


そんな二人にアレンは答える。

少しだけ、真面目な顔で。


「まだ話せない」


「でも、いつか」


視線の先のジーク。

その姿を見つめ、アレンは更に声を響かせた。


「話す。だから今は、俺を信じてくれ」


「なっ、頼む。ジークのこと」


「しばらく見守ってやろうぜ」


「この俺に免じて」


その言葉。

それに、マリアとココネもまた見る。


先を行く、ジークの姿。

それを、困惑の混じった眼差しをもって。


これでいい。


これで、少しは--


あの結末が変わってくれれば。


俺は。


それで、いい。


〜〜〜

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