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「来たわよ、アレン」


マリアの声。

その顔は意地悪く笑っている。


「ほら、はやく」


ぐいっと。

アレンの腕を引く。


それに続き、他の仲間たちも蔑みの表情をたたえ、ジークを見つめる。


「な、なんだよ」


周囲の異様な雰囲気。

それにジークは警戒を露わにした。


黒髪に中性的な顔立ち。

顔には汗が滲み、その身は僅かに震えている。


「おい、ジーク」


ジークの前。

そこに立つ、巨漢の前衛ゴウメイ

丸太のように太い腕。その身体は筋骨隆々。


「相変わらずのひょろがりっぷりだな、おい」


「……っ」


「今日はな。そんなお前に言いてぇことがある」


響くゴウメイの楽しそうな声。

呼応し、マリアも声を響かせる。


「ジーク」


「ううん。役立たずさん」


さらに、小柄な魔法使いのココネも加わる。


「今日はね」


「アレンから大切なお話があるんだってぇ」


ほくそ笑む。


そして。


三人の視線が、アレンに向けられる。


しかし、アレンは言う。


「ジーク」


身構える、ジーク。


しかし。


「その。これからもよろしくな」


「お前にはいつも助けられてる」


「ほんとにありがとな」


それに、ジークは答える。


「あ、あぁ。こっちこそ、いつもありがとう」


瞬間。


ゴウメイ。マリア。ココネ。

三人の顔が引きつる。


そして。


「おッ、おい!! アレンッ、話が違うじゃねぇか!!」


「は、話? な、なんだったっけなぁ?」


ゴウメイの焦り。

それにアレンはとぼける。


「アレンッ、ど、どうして!? さっきの話と全然違うじゃない!!」


「さっきの話? あ、あぁ。ジークに感謝しようって話だっけ?」


頭をかく、アレン


「もーッ、アレン!! ばかッ、バカ!!」


突進し、膨れっ面を晒すココネ。


「バカ。バカ。馬鹿なのは、その。じ、ジークを追い出そうとした俺たちかな。なんて?」


ぽんぽんっと。

ココネを嗜める、アレン。


その光景。

それに、ジークは呆気にとられる。


「あ、あの」


「大丈夫?」


アレンは応える。


その顔に汗を滲ませながら--


「心配すんな、ジーク」


「こ、こっちの話しだからな」


笑ってみせる、アレン。


それにジークは首を傾げる。


しかしアレンの笑顔に、ジークもまた笑う。


「そ、そうか。うん、そうだよな」


「そうだ、ジーク」


「ん?」


「これから飯。行こうぜ」


「お、俺たちとの親交。それをさらに深める為にな」


「いいのか!?」


「勿論だ」


目を丸くする、ゴウメイ。マリア。ココネ。


ジークを追放するはずが、親睦会。


しかし。


「い、行くぞ。お前ら」


そんなアレンの声。


それに渋々、三人はアレンに連れられジーク親睦会へと向かっていったのであった。

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― 新着の感想 ―
追放物だと主人公は大体追放しないで!というスタンスなので、ここからでも軌道修正は出来そうですね
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