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「──それなら、あるぞ!」
それは、私でも、グランメシアーでもない、第三者の声。私はその声の方に、振り返ると、
「よお! おっと、警戒しないでくれ。儂はグランセイヴァってもんだ」
そう曰ったのは、ダチョウを一回り小さくしたくらいのサイズの機械のドラゴンだった!
「──貴方が、麓の村の宿屋のおじさんが言ってた、『ドラゴン』?」
「ふむ、おそらくその『ドラゴン』は儂だろうよ」
──これは付いている。彼は『グランセイヴァ』と名乗った。本当であれば、是非とも旅のお供に加えたい!
「ねえねえ、貴方って、この『グランメシアー』と約二千年前に十億の悪魔を追い払ったっていう『グランセイヴァ』なのかしら?」
「ふむ、その通りだ! 当時は生身のドラゴンの肉体であったが、現在はご覧の通りの機械の体。サイズもかなりスリムになっているのだ」
「そうなんだ♪」
これは、好感触ね。さて、先ずは先のカメラの件からを足掛かりにしましょう。
「ところで、さっきカメラを取り外せるって話は本当?」
「ふむ、その通りだ。更には、タブレットも……、ホレ、この通りに取り外せるぞ!」
グランセイヴァは器用に前足で顔横のカメラと、背中にカバーで覆われていたタブレットを外してみせる。
「まあ! こっちのタブレットにもカメラが付いてるのね♪」
「ふむ、その通りよ。気に入ってくれて何よりよ」
──これで、記念写真もパーペキね♪ 私は、心の内で小躍りし、グランセイヴァから受け取ったタブレットを使って、早速、写真を試し撮り!
「──ちょっと、待てい!」
しかし、そこに水を差すグランメシアー。
「セイヴァ! お主、あの雄々しきボディはどうした? それで、新たな悪魔共が押し寄せたとき、対処できるのか?!」
そんな、グランメシアーの態度にグランセイヴァは、
「のう、メシアー。なにも悪魔共を駆逐するだけが道ではないぞ。この世界もかつてのような人口が過剰に過密状態ではない。遠き星より来たりし者をそうつっけんどんに追いかさなくてもよかろう?」
「……むー、確かに、この世界の総人口は二千年前より大幅に減少しているが……」
「なら、悪魔が来ても悪さをしないのなら、放っておけ」
「…………分かった。しかし、悪さをする悪魔には容赦せぬ!」
「ああ、メシアーはそれでよい!」
──さて、漸く、グランメシアーとの話に決着がついたようで、今度は私の番。
「ところで、グランセイヴァさん。つかぬ事を伺いますが、これから私たちと一緒に旅しませんか? あ、私はイリシア・ラフィールドっていいます♪」
「ふむ、イリシアか。その申し出、喜んで受けよう。儂も、そろそろ旅したいと思っていたのだ。それと、儂のことはセイヴァと呼んでくれ」
「分かったわ。これから、宜しくね、セイヴァ」
「あ! ズルいぞ、セイヴァ!
イリシア、我のことも、これからはメシアーと呼んでくれ!」
「はいはい、分かったわよ、メシアー」
こうして、私たちは新たな旅の仲間を迎えた。




