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転生美少女の旅情記  作者: 白月 仄
1話 一章 自由をその手に
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8

 次の日。

「今日は登山日和ね!」

「うむ、そうであるな!」

 私は村を照らす朝日を見やり、清々しい気持ちだ。うーんと背伸びをして、

「さあ、出発よ!」


 塩湖がある山の登山道は整備されており、観光にも充分耐えうる環境なのだが、

「人がおらぬな」

 グランメシアーの零した通り、私たち以外、登山道には人っ子一人もいない。おそらくだけど、

「宿屋のおじさんが話してたんだけど、この山にドラゴンが出るらしいわ。きっと、それが理由ね」

「なんと!? ドラゴンだと!? イリシア、危険ではないか?」

「大丈夫よ、多分。宿屋のおじさんの話だと、そのドラゴンは機械(ロボット)らしいから、話せば分かるかもしれない。そうでなかったら、その時はグランメシアー、貴方の出番よ♪」

「ん、うむ、そうか♪ わかった! ヤバいドラゴンだったら、我に任せろ!」

 ──ふ、ちょろインね。

 登山道は緩やかな登り坂で、蛇行を繰り返す。


 やがて、登山道は開けた場所に辿り着く。

「──ほう、此処が塩湖か──」

「そうよ。まさに、リアルで見ると絶景ね!」

 私の記憶にある前世での記憶の塩湖と、目の前の塩湖が重なる。

 陽は高く昇り、湖面は凪で静まり返っている。絶好の塩湖日和。

 鏡面となった湖の水面が空を映し込み、世界が蒼一色。

 ……。

 …………。

 ……………………。

 ──つい、時を忘れて見入ってしまう。

 これは写真に収めておきたい。つい、前世の知識が頭を過る。一応、この世界にもカメラがあるらしいが、片田舎には無いし、あってもきっと手が届かない程に高いのだろう。だが、ダメもとで、グランメシアーに、

「──ねえ、グランメシアー、オプション機能で写真を撮る機能なんかあったりする?」

「……うむ、あるぞ」

「そうだよね、やっぱり──って、あるの?!」

「ああ、あるぞ! ついでに動画もな!」

 ──にょああーっ!! マジか!! よし!

「それならさ、グランメシアー、写真撮ろうよ♪ 旅の想い出に、ね♪」

「おおー! それは、良いな♪ では、早速、写真を撮るとしよう♪ ところで、動画は?」

「ん? 写真だけで十分よ! ま、動画も撮りたければ、撮れば?」

「……う、うむ、そうか……」

 こうして、私とグランメシアーは旅の想い出の第一号に塩湖で記念撮影をするのであった。


 ──夕暮れ時。

 グランメシアーの子機の背中に嵌め込まれたタブレットで昼間と、ついさっき撮った写真を確認しながら、

「……うーん、ねえ、グランメシアー。貴方さ、カメラを外せないの? 子機と本体が一緒の写真もほしいのだけど?」

「……うーむ、無理であるな。我のカメラは光学センサーと一体である故、取り外しは無理だ」

「それは、残念ね……」





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