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明けて翌日。
「──さて、今日は塩湖がある山の麓の村が目標よ!」
「成る程、了解した。ところで、我らを付けている者がいるのだが?」
「無視よ、無視!」
昨晩、グランメシアーが助けた少女。彼女が、私たちを付けてきていた。まあ、スジーイの街を出れば、ついてくる事を諦めるだろう。
そう思ってた時期が私にもありました。だが、
「おいおい、あの嬢ちゃん、まだ、付いてくる気だぞ!」
しつこい。だが、ここで反応したら、ストーカー少女の思うツボ。ここは、頑として無視だ。
「振り返っちゃダメよ、グランメシアー。いいわね?」
「あ、ああ、分かった」
昼頃。遂に塩湖がある山の麓の村に到着。
「なあ、イリシア。あの女、まだ付いてきてるぞ?」
「放っときなさい。相手するだけ時間の無駄よ」
しかし、件の少女はいきなり駆け出すと私たちの前に先回りして立ちはだかり、
「──あんたたちね! 昨晩は、よくも私の食事を邪魔してくれたわね!」
さて、何の事やら? アレが食事? ……ああ!
「貴女、淫魔ね!」
「そうよ!」
やはりか。淫魔が人の社会に潜り込み生活するのは対して不思議な話ではない。男性諸君、近くの娼館に行ってみるといい。彼処の娼婦の九割くらいは淫魔だったりするのだ。ちなみに、この知識はスジーイの酒場のマスターから教わった。
「グランメシアー、やっちゃって!」
「え? それはちょっと……」
「いいから、やりなさい!」
「わ、分かった。済まぬ、お主に他意は無い、悪く思うなよ! グラン次元斬!」
「え!? ギィィイヤァァアーーー?!」
幻痛のループに悶え苦しむ淫魔。私は終わらぬ断末魔を上げ続ける彼女を路地裏に無造作に放り込む。
「さあ、今日の宿を探しましょう」
「……なんと、酷いことか……」
──アンタがやったのに他人面すんな! と、心内でツッコむも、私はおくびにも出さず笑顔で宿屋探しを開始した。




