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──今日は宿屋に泊まって、明日は塩湖がある山の麓の村ね。
夜道を歩きながら、明日の予定を考えていると、
「おい、イリシア、大変だ! そこの路地で女の子がチンピラたちに襲われてる!!」
「……そ。じゃあ、憲兵に報告しておきましょう」
私の至極まっとうな意見に、
「何を言っている!? 今すぐ、助けるのだ!」
「はぁ? アンタ、頭湧いてるの? 私はそもそもヒーローじゃないわ! それに……──あ! そうだ! グランメシアー、貴方の次元ナンチャラで、そのチンピラをやっつけなちゃさいよ!」
「……無理だ。レーダーを失っている現在では、アレは我が攻撃対象を視界に収めぬと……」
「何言ってるのよ? その子機でターゲットを補足して、本体側で斬る。それくらい、できるでしょ?」
「……!? なんとッ!! イリシアは天才だな!!」
──……いや、それくらい気付けよ……。
私は内心で毒づきながらも、
「まあね♪」
得意顔をする。
さて、グランメシアーが騒いでいた路地をソッと覗くと、
「──ぐへへ、こいつは上玉だぜ!」
「兄貴! さっそく、やっちまいましょう!」
どうやら、事には及ぶ直前のようだ。上着は脱がされたのか地面に落ちており、両手で必死に上半身を隠す女の子。
これは、まごまごしている余裕は無さそうだ。私は手でグランメシアーに合図。
「其処までだ! チンピラ共!」
「あん?」
「誰だ?」
「何処にいる?」
「あ! 兄貴、上だ!」
響いたグランメシアーの声にチンピラたちが慌てふためく。そして、一人のチンピラが上を指差すと皆が上を見上げる。
「我は正義の使者! 貴様等のような外道は赦さぬ! とう!」
そう言ったグランメシアーは建物の屋根から飛び降りる。それと同時に、
「汝らは万死に値する! 故に、この痛みを以て、心の底から改心せよ! グラン次元斬!」
グランメシアーの子機がオモチャの剣を持って居合い斬りの動作。すると、
「ぐがぁ!?」
「ぬをぁっ!?」
「ひぎゃっ!?」
「ぎぃやあぁぁー!!」
チンピラたちが、幻痛に悶え苦しみだす。
昼間にも見たけど本当にエグい攻撃ね。
「グランメシアー、後は憲兵に任せるわよ!」
「うむ!」
グランメシアーが地面に着地と同時に、私の方へと空中ダッシュ。
──被害者には悪いが、後は自分でなんとかしてね。と、私は思いつつ、この場を後にする。しかし、あの少女、終始して悲鳴を上げる素振りが一切無かった……いや、考えすぎか。




