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「──グラン次元斬!」
手にしたブレードを空に一閃!
「おいおい、いきなり素振りして、どうし──ぎぁああぁぁーっ!!」
突如として、盗賊の全員が腹を押さえて倒れ込み、悶え苦しむ。それはさながら地獄絵図だった。
……………………。
いったい、グランメシアーは何したのか?
「ちょっと、グランメシアー! アンタ、何したの?」
私は声を上げ、現状を生み出したグランメシアーに問う。
「なーに、我は対異星人用の兵器。この惑星に生まれ落ちた者たちは悪であろうと出来うる限りは殺生は避けたい。故に、特殊な効果のある攻撃で攻撃したのだ!」
グランメシアーはそう言うが盗賊の悶え苦しむ様は尋常ではない。更なる説明を求め、視線を向けると、
「大した事はしておらんぞ。我の放つ次元を跳躍した攻撃を受けた者は“斬られた幻痛”を“心の底から改心するまで、リピートする”というものだ。しかも、痛みを克服している者にも有効なのだ! ちなみに相手が異星人だったら即・必殺……──」
グランメシアーからの回答に、それ以上の内容は私の耳が受け付けなかった。
「…………なんて、エグい攻撃なのかしら……」
幻痛の無限ループ。エグい、エグ過ぎる!
私は幌馬車の中に退避したガイラさんに脅威は去ったと告げ、幻痛で悶え苦しむ盗賊を彼と協力して縄でせっせと縛り、幌馬車の後ろに繋ぐ。馬車の速度はそこまで早くないので、引き摺っても問題ないだろうと。
夕刻。
「おお! ギリギリ、間に合いそうだ!」
御者台に戻ったガイラさんの操作で馬車は無事にスジーイに到着。
門のところで、何故か、ボロボロで意識を失った盗賊を明け渡し、私たちはスジーイの中へ。
ガイラさんは馬車を馬車の停留所に入れると、
「イリシアちゃん、此処まで世話になった」
そう言って、取り決めよりも重いお金の入った皮袋を渡してきた。一瞬、言おうかと迷ったが、
「いえいえ、どう致しまして」
これは厚意によるものなので、素直に受け取っておく。さて、ガイラさんとは此処でお別れだ。
「なあ、イリシア。此処から、何処に向かうんだ?」
スジーイにある酒場で夕飯を食べる私にグランメシアーが問う。
「そうね……、先ずはここから近くにある山にある塩湖に行きましょう。ガイラさんによれば、“夜は絶景”だそうよ」
そう答えて、私は日替わり定食のスープを啜る。
「エンコ?」
「知らないの? 水底が岩塩の真っ平らで浅い湖よ」
「ほう、そんな湖があるのか。我はこうして出歩くようになる前までは、整備基地にいたからな。イリシアが神殿と呼んでいたあれは、外観は後で神殿へと改装したようだが、我の整備基地なのだ」
「ふーん、そうなんだ」
日替わり定食を平らげ、果汁のジュースを呷る。ちなみに、ここのマスターからも予想通りの有益な情報をゲット出来た。私は料理代をテーブルに起き、
「さあ、明日からはさっそく山登りの旅よ!」




