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「さて、これから町に入るのだけど、グランメシアーはどうするの? 流石に町の中には貴方は入れないわよね?」
「それならば、心配無用。フンヌッ!」
グランメシアーの気合い一閃の掛け声とともに、彼のコックピットが開き、その中の座席の上方にあったパーツが分離。そして、その姿を手持ちのぬいぐるみサイズの子機に変形させると、コックピットから私のところまで出てきて、
「どうよ? この子機のデフォルメ姿は? 可愛いだろ?」
そう自慢してきた。一瞬だけ、可愛いかもと思ったのはナイショだ。
「ふーん。で、こっちの本体はどうするの?」
「うむ、本体はやむを得んが、そこら辺に待機させよう」
そう言うと、グランメシアーの本体側が人の歩行の邪魔にならないところまで行くと、体育座りで地面に座って待機した。
いいのか、それで?
私は心の内でそうツッコミを入れるが口には出さない。
「じゃあ、行きましょうか」
体育座りで待機する伝説の機体のシュールな姿を横目に、私はグランメシアーの子機を連れて町の中へ。
町の中は、かつて、お使いで来たときのように冒険者や旅行客で賑わっていた。まあ、場所は人気の観光地の手前だし、これくらい普通か。
私は手近な服屋に入り、旅装束を見繕う。
上着にズボンとフード付きの外套、それと、ベルトに後は他の店ね。
適当に何着か選んで試着室へ。
暫くして、着替え終えた私が試着室を出ると、
「お! イイね! イリシア! だが、こっちの服の方がもっと良くなるぞ♪」
グランメシアーが私の服を褒めると同時にトンデモない服を勧めてきた!
控え目に言っても、艶やかなその服。着用している人には悪いが、私は思わず、
「そんな不特定多数の男性を悦ばせるような、“破廉恥な服”なんて、着れるわけないでしょ!!」
そう、叫んでいた。もうね、グランメシアーが選んだ服は、水商売をしている人ですら忌避するような艶やかさ。こんなの着ているのは、水商売のその先の、そ、ソッチ系の人か、羞恥心を捨てた人くらいだ。
私は手に持った余分な服をさっさとハンガーラックに戻し、レジで金を払って服についた値札のタグを店員に取ってもらう。
「ほら、行くわよ!」
私はいまだに、かの破廉恥な服を持ったままのグランメシアーに、そう告げて、服屋を出た。




