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転生美少女の旅情記  作者: 白月 仄
1話 二章 機械のドラゴン
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「──わぁー♪ 凄いわ! メシアー、セイヴァ、見て! 至る所に、ホタルだらけよ!」

 小川が流れる森の中。川辺のほとりには夜を照らす淡い光りたち。この世界のホタルだ。ゆらゆらと明滅して、なんて幻想的なのかしら!

 私は、この光景に見蕩れ、セイヴァのタブレットで写真を何枚も撮影する。

「……ふ、ふむ、そうであるな……イリシア」

「……いやいや、イリシアにセイヴァ、待て。なぜ、血生臭い現実に目を逸らして、そんな風景に浸れるのだ?!」

 メシアーがなにやら騒がしいが、私は無視。ホタルが舞う幻想風景に心を洗われる。

 私たちの後方には、野生の猪の解体時の血につられて、寄ってきた肉食獣の死体の山など、無いのだ。そう、無いと言ったら無いの!

 そりゃ、今日は森の中で野宿。そこで、夜食と翌日の朝食にと猪を狩ったワケよ。セイヴァと協力して、無事に猪を狩った後、事件は起きた。

「さあ、ホタルが出る前に猪を解体しましょう!」

「ふむ、そうであるな。手伝うぞ」

 そう言って、猪の解体をはじめたら、肉食獣が次から次へと血の臭いにつられて寄ってきた。んで、それを撃退たしたら、また別の……という無限ループに陥る。その結果、猪の解体がままならず、気付けば、ホタルが飛び交う時間帯になっていた。という、ワケ。

 因みに、メシアーの『グラン次元斬』だが、野生動物には善悪の概念が無く、更に、この惑星の生物である故に、なんの役にも立たなかった。その結果が血生臭い事になった理由である。お粗末。



 さらに、二日後。

「うむ、地図に記されるだけのことはあるな!」

「ふむ、確かに。竜頭(りゅうとう)の滝とはよく言ったものよ!」

 私たちは、私が示した観光名所に来ていた。『竜頭(りゅうとう)の滝』、流れ落ちる滝の筋が竜の頭を模(かたど)った滝で、中々の見応えだ。

 私はタブレットで、展望台からパシャパシャと写真を撮る。

「うーん、マイナスイオンを感じるわー♪」

 滝壺から登る水飛沫が空気に溶け込み、この場の空気を涼しいものにしている。

「ほうほう、成る程。これがマイナスイオンなるものか」

「なあ、セイヴァ。お前、そのボティで水は大丈夫なのか?」

「ふっ、ちゃんと防水仕様だ! なんなら、局地でも全然平気であるぞ! もっとも、儂の動力源の充電は、この翼の太陽光パネルだから、太陽が全く出ぬ極夜の地域には長期滞在は出来ぬがな」

「へえー、そうなんだ」

 セイヴァは昔話を積極的にしないので、新たに知った新事実。まあ、私も他人の過去を穿(ほじく)るような真似はしたくないので、メシアーやセイヴァから話さないなら、それでもいいと思っている。



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