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転生美少女の旅情記  作者: 白月 仄
1話 二章 機械のドラゴン
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 ──そうして、私・メシアー・セイヴァの旅路は大きな出来事もなく、その時の気分であっちにフラフラ、こっちにフラフラという具合で半年が過ぎた。

 そして、さすがに半年も経つと、

「──我ら『聖機神教の聖騎士団』! グランメシアー様、どうか我が宗教の元においでくださいませ」

 メシアーの巨体は良くも悪くも目立ち、こんな輩が、やって来るようになった。しかも、

「──グランメシアー様! このような妙ちくりんな宗教の元に行ってはなりませぬ! どうか、我らが『神聖グラン教』へお越しくださいませ!」

 メシアーを崇拝する宗教がやたらめったらとアリ、ソレ等からの『迎えの使者』が後を絶たない。同時に宗教家同士が争いはじめ、

「ああ゛ーん? グランメシアー様が貴様らのような、下賤な輩の宗教に本当に行くとでも思っているのか?!」

「そっちこそ、御神体がグランメシアー様とは似ても似つかぬパチモノではないか?!」

 などという具合。

「ほら、メシアー。貴方の信者たちが騒いで通行の迷惑よ! なんとかしなさい!」

「そうであるぞ、メシアー。これはお主の問題だ。儂らを巻き込むでない!」

 私とセイヴァは他人の振りをして、メシアーに宗教家同士の争いによる周囲への迷惑の責任を追及する。

「そうは言われても、実質、我には関係のない事だ!

 おい、汝ら、我は誰かのモノではない! 大人しく、帰るがよい!」

 しかし、メシアーのその言葉は宗教家たちを鎮めるどころか、逆に焚き付け、騒動は武力衝突の一歩手前に。

「あー、もう! 我は汝らの事など、知らん!」

 その状況に遂にメシアーの本体が逃走してしまう。そう、これが、ここ最近のお決まりパターンだ。メシアーを崇拝する宗教家が集まってきては、メシアーの勧誘と他宗教の排斥の口喧嘩が始まり、やがてメシアーは暫く姿を隠す。

「ふぉっふぉっふぉ、人気者はつらいのメシアーよ」

「うるへー」

 宗教家たちは本体が飛び去った方へと駆けて行く。それを見送ると、子機メシアーが藪の中から出てきて、合流する。

「そういえば、本体が何処かに行っても、そっちの子機は大丈夫なの? ほら、電波とかさ」

 私はメシアーに素朴な疑問を問い掛ける。

「ふふーっん! ソイツは無問題さ。我のこの子機は次元通信でどれだけ本体から距離が離れても、何処からでも繋がるからな!」

「……さいですか」

 ──もー、メシアーがデタラメな性能は理解していたつもりだが、どこまでもデタラメだな。そんな事を思いつつ、街道を進めば、

「──おー! あれが、この国の首都バーリカスクエか!」

 セイヴァの声に顔を上げると、私の出身地の村が属する国の首都が見えてくる。これまで、通ってきた町とは一線を画するメトロポリタン。

「……はー、なんかトーキョーより凄そうね……」

「む? トーキョーとな? それは、どこの町だ? 我のデータベースには無いが……?」

 メシアーの言及に、私ははたと気付く。

 ──……おや、前世の記憶がつい出てしまった。

 私は一瞬だけ逡巡するも、

「……私の前世が住んでた街よ」

 隠すほどでもないという結論に至り、正直に話す。

「──ほう、そうか」

「──成る程の」

 どうやら、メシアーもセイヴァも、基本スタンスは私と同じようで、私の前世のことを詮索はしてこなかった。


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