第52章:ツンベルブリッツ大学の誘惑!ライバル如月あやめの略奪宣言
名門の共学大『ツンベルブリッツ大学』の広大なキャンパス。
貝森拓人は、スマホの画面をじっと見つめたまま、深いあきらめと不安の混じったため息をついていた。
「……かすみちゃん、最近連絡しても、全然返事がないな……」
サファリア女子大に通う最愛の婚約者、納屋かすみ。
高校を卒業してからというもの、お互いの環境の変化のせいか、すれ違いばかりが続いていた。
(まさか、かすみちゃんが他の人とそんな……いや、そんなことはないって、今の僕には言い切れないんだ。だって、僕には――)
拓人の脳裏に、最近自分の隣にぴったりと寄り添うようになった、一人の華やかな女子大生の姿が浮かぶ。
それは、高校時代から何かとかすみお嬢様を目の敵にし、ライバルだと公言してはばからなかった令嬢――如月あやめだった。
「ねぇ、拓人さん? 何をそんなに暗い顔をしてスマホを見つめているの?」
香水の甘い香りを漂わせながら、あやめが拓人の腕に自分の腕をぎゅっと絡ませてくる。
そう、ツンベルブリッツ大に進学した拓人は、あやめの猛烈なアプローチに押し切られ、今や「新しい彼女」として彼女を隣に置くようになってしまっていたのだ。
あやめは拓人の腕に頬を寄せながら、勝利を確信した邪悪で美しい笑みを浮かべた。
「私、貝森拓人と結婚するの。だって、サファリア女学院の時の学園祭で、私の方から声をかけて誘った運命の人だから……。ねぇ拓人さん、そんなことより私達の教室にも顔を出してよ? みんなに紹介したいわ」
「あやめ、でも僕はかすみちゃんが……」
「かすみさんなんて、今頃女子大で他の男と遊んでるわよ。ねぇ、私だけを見て?」
甘く囁きながら拓人を引っ張っていくあやめは、心の中で「うふふ……!」と激しい暗黒の笑い声をあげていた。
(うふふ……! これで貝森拓人は私のものよ。あの生意気な納屋かすみから、最高の男を略奪してやったわ。マッツウィックスの南条隼人といい、あなたの周りはもう敵だらけね、かすみさん!)
拓人があやめのハニートラップに絡め取られ、忙しさの泥沼へと引きずり込まれているとも知らず――。
サファリア女子大のお屋敷では、誠さんによる狂おしいバックハグと暴走キスの監禁生活が始まろうとしていた。
すれ違う拓人の心、そして忍び寄る如月あやめの略奪愛。
第2シリーズのドロ沼の歯車は、凄まじいスピードで私達の運命を狂わせていくのだった――。
第53章:監禁室の告白!誠の独占欲と、あやめのサファリア女子大殴り込み編へ続く




