第47章:ツリンベッティー学園凸ツアー!若者たちの容赦なき毒舌
転校初日の放課後、青藍高校の校門前には、どこか遠足のような軽いノリで盛り上がる4人の姿があった。
「よし! 住所もバッチリ特定したし、まずはあの元御曹司の母校から見学に行ってみようぜ!」
スマホを片手に息巻くあのチャラい同級生2人に連れられて、貝森拓人と森野海斗も「まぁ、暇つぶしにはなるか」と、連れ立って電車とバスを乗り継ぎ、あの超格式高い(と露村家だけが思っていた)名門『ツリンベッティー学園』の前へとやってきたのだ。
高くそびえ立つ大理石の校門と、西洋の城のような立派な校舎。
だが、ちょうど下校中だったツリンベッティーの生徒たちは、実家が倒産した隼人の噂や、成金カーストの崩壊に怯えて、みんな一様にどんよりと暗い顔でコソコソと歩いていた。
その様子を校門の前からじっと眺めていたチャラい2人が、揃ってあっさりと呆れたような声をあげた。
「えっ……ここがあのツリンベッティー学園なの? ――うわ、学校は立派だけど、生徒はいまいちだな!」
「本当だな。なんかみんなコソコソしてて、全然覇気がないっていうか、格好ばっかりで中身が伴ってないじゃん。青藍高校のほうが100倍楽しいわ」
かつて隼人が「俺様たちのツリンベッティーな格式!」とドヤ顔で自慢していた母校を、一般人のチャラ男たちから「生徒がいまいち」と一瞬でバッサリ切り捨てられるツリンベッティー学園。
その隣で、スーパールッツの新作ジュースをストローでちゅーちゅーと吸っていた貝森拓人も、周囲を見渡してフッと爽やかに笑った。
「なんだ、大したことないね。かすみちゃんが通うサファリア女学院のほうが、お花がたくさん咲いててずっと綺麗だよ」
「当たり前だろ、あそこはうちのあけみお母様の母校なんだからな」
海斗くんも特大の焼きそばパンをガブりとかじりながら、フンと鼻で笑って同意する。
「建物だけは立派だけど、中にいる奴らがパクリ一族と同レベルの成金ばっかりじゃ、ただの箱物だな。……よし、ここにはもう用はない。次、露村財閥に行こうぜ。差し押さえられた邸宅がどうなってるか見ものだな」
「賛成ーーーっ! 露村財閥跡地ツアーへレッツゴー!」
チャラい2人が大はしゃぎでスマホの地図を切り替える中、4人はツリンベッティー学園に1ミリの未練も残さず、すぐさま次の目的地である露村の邸宅へと向かって優雅に歩き出すのだった。
「おのれ露村一族、我が至宝たるお嬢様を巻き込もうとした罰で、自慢の母校を青藍高校の特定班たちに『生徒はいまいち』『大したことない』と秒速で1分観光地化されるとは……ッ! ギガ万死!! 今すぐ私が次の露村邸の前に、過保護にスーパールッツの業務用カートを並べて『本日定休日』の看板をバキバキに発光しながら立てて差し上げますわ!!!」
ツリンベッティー学園の物陰から彼らを見守っていた長谷部誠のメガネが、若者たちの容赦なき毒舌に歓喜の真紅オーラでバキバキに大爆発する中、凸ツアーの一行は、いよいよ完全崩壊した露村財閥の本拠地へと突入するのだった――。
第48章:消えた成金の城!露村邸跡地での爆笑実地検証と、隼人の涙編へ続く




