第45章:教室騒然!元ツリンベッティーの正体
新学期初日の、青藍高校2年A組の教室。
担任の先生がガラガラと扉を開け、教壇に立つと、パンパンと手を叩いて騒がしい生徒たちを静めた。
「よし、みんな席につけー。新学期早々だが、我がクラスに新しい転校生を迎えることになった。ツリンベッティー学園から諸事情で移籍してきた生徒だ。入ってきなさい」
先生の言葉に、クラス中が「おい、朝の噂の元御曹司がマジで来たぞ……!」とゴクリと息をのむ。
そして扉から入ってきたのは、やはり、あのダサい腰パン制服スタイルに身を包み、指には凶悪なトゲトゲの指輪をこれでもかとハメた男――露村隼人だった。
隼人は教壇の前に立つと、実家が倒産した身分であることも忘れ、フッと傲慢な笑みを浮かべて前髪をかき上げた。
だが、彼が自己紹介の口を開くよりよりも早く、窓際の席にいたあのチャラい2人の同級生が、スマートフォンを二度見しながら揃って大声を張り上げたのだ。
「あ、あの! もしかして……元ツリンベッティー学園の生徒って、露村隼人かよ!?」
「えっ、マジ!? あの、昨日の新作ジュエリー発表会でパクリがバレて親父が泡吹いて倒産したっていう、あの露村財閥の!? ネットニュースでトレンド1位になってる顔と完全に一致してんだけど!?」
「な、なんだってーーーッ!?」
チャラい2人の超絶マッハな特定により、クラスの全生徒が一斉に立ち上がって隼人を指さし、教室は蜂の巣をつついたような大騒ぎ(大パニック)に陥った。
「おいおい、ツリンベッティーの御曹司って言っても、ただの自己破産した元成金じゃねえか!」
「なんでそんな恥さらしがウチの青藍高校に来るんだよ!」
一瞬にして「ただのストーカーパクリ倒産一族の息子」として全校生徒に正体が大暴露され、ドヤ顔をキメていた隼人の顔が、みるみるうちに情けなく真っ青に変色していく。
「ひ、ひぎぃっ……!?(な、なぜ俺様が名前を名乗る前に、すべての生き恥がクラス全員に共有されているのだ……ッ!?)」
トゲトゲの指輪をガタガタと震わせる隼人。
そんな大騒動の喧騒の中、一番後ろの席で、スーパールッツの高級カートの新作ミニチュアを眺めていた貝森拓人は、やっぱりポカンとした顔でチャラ男たちに尋ねた。
「……え? 露村隼人? ――あ、そっか、ツリンベッティーっていうのは学校の名前で、こいつがその『偉い人』の息子だったのか。名前がツリンベッティーさんじゃなかったんだね、すっきりした!」
「そこ!?」「拓人、お前本当にブレねえな!」
チャラい2人が一斉にズッコケる中、隣の席の森野海斗くんも、新しく手に入れた高級ジュエリーショップの経営書類を小脇に抱えながら、フッと冷酷な視線を隼人に向けた。
「へぇ。我が森野財閥と、スーパールッツに喧嘩を売って自爆した負け犬が、どの面下げて俺たちの学校に来たんだよ。……放課後、たっぷり教育してやるから覚悟しとけよ、元・御曹司」
「モ、森野海斗……! 貝森拓人……ッ!!」
転校初日のホームルーム開始わずか3分で、完璧なまでの「公開処刑カースト最底辺」が確定してしまった露村隼人。
「おのれ露村隼人、我が至宝たるお嬢様を待ち伏せしただけでなく、青藍高校の教室をそんな泥舟の恥さらしオーラで汚そうとは……ッ! ギガ万死!! 今すぐ私がこの教室の黒板消しを過保護にバキバキに大発光させ、奴の顔面をチョークの粉で更地にして差し上げますわ!!」
廊下の窓ガラスの向こうで、長谷部誠のメガネが怒りの真紅オーラでバキバキにひび割れる中、波乱に満ちすぎた新学期が、最高にスカッとする形で幕を開けるのだった――。
第46章:放課後の洗礼!海斗社長の圧倒的財力と、拓人の無自覚天然カウンター編へ続く




