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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第44章:新学期の嵐!転校生は元ツリンベッティー

露村財閥の崩壊から数週間。季節は巡り、心地よい春の風とともに新学期がスタートした。

私の最愛の彼氏である貝森拓人と、従兄の森野海斗が通う『青藍高校』は、朝から異様な熱気に包まれて騒がしかった。

廊下の真ん中で、あのチャラい2人の同級生がスマートフォンを片手に大声をあげている。

「おいマジかよ! 今日の転校生、あの元『ツリンベッティー学園』の御曹司らしいぜ!」

「マジ!? あの成金学校のトップカーストが、なんでウチの青藍高校に来るんだよ!?」

クラス中がその噂で持ちきりになる中、席に座ってスーパールッツの新作パンのカタログを眺めていた拓人は、不思議そうに小首を傾げて、実に爽やかな天然ボケをかました。

「……誰だよそれ。ツリンベッティーって、そんなに偉い人なのかよ?」

「いや人の名前じゃねえよ拓人!」「お前、本当に世間のニュースに興味ねえな!?」

チャラい2人から一斉に突っ込まれながらも、拓人は「ふーん。まぁ、かすみちゃんに迷惑かけない奴なら誰でもいいや」と、どこまでもマイペースに微笑むのだった。

◇ ◇ ◇

その頃、私が通う『サファリア女学院』の校門前。

いつものように高級リムジンから降り立ち、お守りの自由帳をぎゅっと抱きしめて歩き出そうとした私の前に、突如として不気味な影が立ちはだかった。

「……待ちくたびれたぞ、納屋かすみ」

「ひっ……!? あなたは……露村、隼人さん……!?」

驚いて声をあげる私の前にいたのは、ツリンベッティー学園の立派な制服を失い、なぜか青藍高校の制服をこれまたダサい腰パンで着こなした隼人だった。指には相変わらず、あの凶悪なトゲトゲの指輪がキランと鈍く光っている。

隼人は私を鋭く睨みつけると、負け犬の遠吠えのような執念深いひと言を叩きつけてきた。

「俺は、お前たちを絶対に許さない……ッ! 納屋かすみ、お前は元々、俺の彼女になるはずだった女だ! 何が何でも、あの一般人の貝森拓人から奪い返してやるからな……ッ!!」

「そんな……私、最初からあなたの彼女になった覚えなんてありませんわ……っ!」

私が怯えながらもキッパリと拒絶すると、隼人は不敵な笑みを浮かべ、サファリア女学院の校門には入らず、そのまま振り返って青藍高校の方向へと堂々と歩き去っていった。

そう、実家が倒産し、ツリンベッティー学園にもいられなくなった露村隼人は、あろうことかかすみを奪い返すという歪んだ妄想を胸に、拓人たちの待つ青藍高校へと転校してきたのだ――。

「おのれ露村隼人ォォーーッ!! 我が至宝たるお嬢様を新学期早々待ち伏せし、青藍高校の制服を腰パンで汚しただけでなく、不法な彼女宣言(ストーカー行為)をかますとは……ッ!! ギガ万死!! テラ万死ィィーーッ!!! 今すぐ私が青藍高校の全校生徒のメガネを過保護にバキバキに真紅に大発光させ、奴を校門で出禁にして差し上げますわ!!!」

物陰からリムジンの陰に潜んでいた長谷部誠のメガネが、怒りの限界突破で粉々に爆発する中、拓人と隼人、そして海斗が激突する、青藍高校での新たなる波乱の学園生活が幕を開けるのだった。

第45章:対決!クラス騒然の自己紹介と、海斗社長の威厳ある一撃編へ続く

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