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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第43章:崩壊したツリンベッティーの品格と、優雅なパンパーティー

あの泥沼の新作ジュエリー発表会での歴史的大自滅から、一夜明けた次の日のこと。

超格式高い名門校(笑)である『ツリンベッティー学園』の校門を、露村隼人はいつものように腰パンを震わせながら、トゲトゲの指輪をはめてくぐった。だが、昨日まで彼をご機嫌取りしていた生徒たちの視線は、氷のように冷たかった。

「おい……見ろよ。昨日、恥さらしのプロポーズ大自滅をやらかした傲慢御曹司がやってきたぞ」

「あの納屋かすみお嬢様にも最初から全く相手にされてなかったんだってな。父親はパクリがバレて泡吹いて昏睡するし、親子揃って本当に情けないわ」

ヒソヒソという容赦のない陰口が、隼人の耳に突き刺さる。さらに追い打ちをかけるように、スマートフォンを眺めていた生徒が特大の爆弾ニュースを叫んだ。

「おい、マジかよ! 露村の母親の麗華って、どこかの令嬢でも何でもない、ただの高級クラブのオーナーママだった庶民なんだってな! 玉の輿狙いで陣の泥酔プロポーズを利用しただけらしいぞ!」

「ゲッ、マジかよ!? なんでそんな詐欺師みたいな庶民の息子が、格式高いツリンベッティー学園にいるんだよ。俺たちの高校の品格も完全に終わったな」

「ひ、ひぎぃっ……!?(お、俺様たちのツリンベッティーな格式が、一瞬で最底辺の成金カーストに……ッ!?)」

昨日までの栄光が跡形もなく更地にされ、隼人は全校生徒の前で情けなく顔を真っ青にしてガタガタと震えるしかなかった。

◇ ◇ ◇

その頃、そんな哀れな泥舟の崩壊など知る由もない私達は、最高の光に満ちた貝森財閥のお屋敷のリビングに戻り、みんなで楽しい『大勝利のスーパールッツ爆買いパンパーティー』を開催していた。

「かすみちゃん、このスーパールッツ特製のカニカマブレッド、すっごく美味しいよ! はい、あーん!」

「まぁ、拓人さん……っ! はむ……っ、美味しいです……!」

拓人くんが爽やかに笑いながらパンを口に運んでくれ、私達のおそろいの指輪がキラキラと幸せそうに響き合う。

「あはは! 拓人、かすみちゃんにばっかり食べさせてずるいぞ! 俺にもそのメロンパンくれよ」

やんちゃな瞳を輝かせた森野海斗くんも、森野財閥の堅苦しい家を忘れて、すっかり私達の輪に馴染んで楽しそうに笑っている。

そんな中、私はお守りの自由帳を優しく机に置き、ずっと気になっていた疑問を、リビングに揃った大人たちに投げかけてみた。

「ねぇ、あけみお母様、薫お父様。……それに孝雄お父様とあずみお母様も。みなさん、あの『露村陣』という方って、本当に、なーんにも知らなかったのですか?」

私の質問に、まずあけみお母様が上品にカップを置いてクスリと微笑んだ。

「ええ、本当に全く知らないのよ、かすみ。私の記憶のどこを探しても、あんなブドウ糖の切れそうなおじ様の名前なんて出てきませんわ。おほほ」

続いて薫お父様も、少し困ったように眉を下げて笑う。

「僕もだよ。ビジネスの社交場で名前を数回聞いたことがあるくらいで、個人的な付き合いもなければ、何であんなに逆恨みされていたのかさっぱり分からなくてね……」

さらに、世界を牛耳るスーパールッツの覇王・貝森孝雄パパとあずみママも、ラグジュアリーに肩をすくめた。

「我が貝森財閥の取引先リストにも入っていないような格下の男だ。気にする価値もないな」

「本当ねぇ。あんなパクリデザインを堂々と発表するような人、私達の視界に入れるのもおこがましいわ」

トップ全員から「本当に全く知らない、興味もない」と揃って切り捨てられる露村陣。40年間のストーカー怨念が、ただの一人相撲だったことが改めて証明された瞬間だった。

すると、特大のメロンパンをモグモグと食べていた海斗くんが、ふとショーケースに飾られていたあの美しかったペアリングのことを思い出したのか、ポロっと呟いた。

「……なぁ。あの露村の親父が持ってた、あの高級ジュエリーショップさ。デザインはクソだけど、立地と店構えだけは一等地で最高だったよな。……俺、ちょっとあのジュエリーショップ、欲しいかも」

反抗期の御曹司が何気なく放ったその一言に、貝森孝雄お父様がフッと冷徹かつ頼もしい笑みを浮かべて、即座にスマホを取り出した。

「ふむ、海斗くんが気に入ったのなら話は早い。パクリ発覚で株価が紙クズ以下に大暴落して倒産寸前の露村財閥だ。……よし、今すぐあの高級ジュエリーショップを丸ごと『スーパールッツ』の資本で爆買い買収し、我が傘下に入れる決定を下そう。経営権はすべて海斗くん、君にプレゼントするよ」

「えっ!? マ、マジで言ってんの、拓人の親父さん!?」

海斗くんがメロンパンを喉に詰まらせそうになって目を見開く。

「あはは、良かったじゃん海斗! スーパールッツの力があれば、明日にはあの店、お前のものだよ!」

拓人くんが爽やかに笑い、私も「海斗社長の誕生ですね……っ!」と嬉しくなって自由帳を抱きしめた。

「おのれ露村、自爆して倒産するだけでなく、我が至宝たるお嬢様の大切な親戚である海斗くんに、一等地のショップの経営権という特大の成長フラグまで献上することになるとは……ッ! ギガ万死!! 今すぐ私がスーパールッツの買収書類のハンコを、過保護なマッハスピードでバキバキに発光しながら押して差し上げますわ!!!」

部屋の隅で長谷部誠のメガネが本日最高峰の真紅の過保護オーラで大発光する中、私達のお祝いパーティーは、さらに賑やかに続いていくのだった。

露村財閥の全財産を秒速で爆買い吸収し、私達の未来には、温かくて香ばしいスーパールッツの幸せだけが広がっていた――。

第44章:新学期スタート!海斗社長の放課後ブランド経営と、青藍高校の新展開編へ続く

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