第38章:品格なき御曹司と、執念のジュエリー招待状
ツリンベッティー学園祭は、露村財閥にとって、ただただ「情けなくて哀れな大失態」を全校生徒の前に晒すだけの公開処刑の場となった。
三大財閥のトップや本命彼氏の拓人、そして海斗の目の前で、謎の腰パンとトゲトゲ指輪スタイルを「スタイリッシュ」と勘違いしてドヤ顔を決めていた露村隼人。神々の軍団に鼻で笑われ、周囲の生徒からもクスクスと指をさされる大恥をかいたまま、学園祭は幕を閉じたのだった。
その夜、露村財閥の本邸には、陣パパの怒号が響き渡っていた。
「隼人ーーーッ!! なんだあの制服の着こなしは!!」
陣はデスクに拳を叩きつけ、顔を真っ赤にして息子を睨みつけた。
「我が露村財閥の誇る、ツリンベッティー学園の品格を完全に落としたんだぞ! お前があんなダサい腰パンスタイルで現れたせいで、納屋かすみを引き付けるどころか、森野や貝森の笑いものにされたではないか!」
「す、すみません父上……っ。俺様としては、最先端の御曹司ファッションのつもりだったのですが……っ」
トゲトゲの指輪をはめた手を震わせながら、隼人は情けなくうつむくしかなかった。
しかし、あけみへの40年越しの歪んだ執着をこじらせている露村陣は、これしきの失敗では諦めなかった。むしろ、学園祭での失態を帳消しにするほどの、とんでもない次の一手を思いつく。
「フン、学園の格式(笑)などでダメなら、我が露村財閥が誇る本物の『財力』と『美の結晶』を見せつけてやるまで。……そうだ、近々開催される我が財閥の【新作ジュエリー発表会】。ここに、納屋あけみへ招待状を出すのだ!」
陣は狂気に満ちた手つきで、最高級の便箋に文字を走らせた。
あけみ「だけ」を誘い出し、自分がデザインしたという最高傑作のジュエリーを見せつけることで、今度こそ森野薫からあけみの心を奪い返そうという、身の程知らずな作戦である。
「隼人、今度こそ失敗は許さないぞ。この発表会で納屋の親子を露村の虜にし、我が財閥の格の違いを世に知らしめるのだ……!」
「はい、父上! 必ずや!」
またしても泥舟の上で醜い妄想を膨らませる、哀れな露村の親子。
だが、彼らはまだ気づいていない。
その招待状を受け取ったあけみお母様が、薫お父様を伴って優雅に乗り込んでくることも。そして、同行したスーパールッツのあずみお母様から「あら、このデザインどこかで見たような気がする……?」と、40年前の使い回し(パクリ)の事実を全招待客の前でバシィィィンッと暴かれ、一瞬で完全倒産へ追い込まれる未来が、すぐそこまで迫っているということに――。
第39章:泥沼のジュエリー発表会!マダムたちの華麗なる逆襲編へ続く




