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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第33章:過去の冷徹な食事会と、現代の温かいスープ

「――本当に、今思い出してもあそこは冷酷な場所でしたわ」

貝森財閥の豪華絢爛なダイニングルーム。新鮮な食材とスーパールッツの焼きたてパンがずらりと並ぶ幸せなお祝いパーティーの席で、あけみお母様がふと、かつての苦い記憶を振り返るように呟いた。

それは、かすみがまだ露村隼人と形ばかりの婚約をさせられそうになっていた、過去のあの食事会の回想――。

◇ ◇ ◇

かつて、サファリア女学院の学園祭でかすみに一目惚れし、毎年薔薇の花束を抱えて「ドライブに行こう、露村かすみとしてお迎えするよ」と強引に迫っていた露村隼人。

父親の陣から「何としても結婚しろ」と命令されていたこともあり、ようやくセッティングされたのが、あの露村一族との食事会(婚約の場)だった。

だが、よく見たらあけみにちっとも似ていない漣麗華(麗華ママ)を泥酔した勢いで妻にしてしまった陣パパ、そして計算高く玉の輿に乗った麗華ママの根底にあるのは、納屋財閥への歪んだ嫉妬と見下しだった。

高級レストランの席で、彼らは自由帳を抱きしめて震えるかすみを歓迎するどころか、家族総出で冷たくあしらったのだ。

「フン、大人たちの前で自由帳などという安物を抱えて、相変わらず世間知らずなお嬢様だな。我が露村財閥の妻にふさわしくないわね」

麗華ママも陣パパも冷たく言い放ち、あろうことか一目惚れしていたはずの隼人までもが、歪んだプライドから「お前みたいな世間知らずが隼人の嫁にふさわしくないわね」と同調して冷たい視線を向けてきた。

当然、かすみは「私、やっぱりこんな冷たいところ、絶対に嫌です……っ!」と涙を流して拒絶し、その婚約は自業自得の形で完全にだめになったのだった。

◇ ◇ ◇

「――そんな酷いことがあったのね。一目惚れしておきながら我が子同然のかすみちゃんを傷つけるなんて、露村の一族は本当に万死に値しますわ」

現代のダイニングで、回想を聞いたあずみお母様が、優しい瞳を冷酷な怒りに燃え上がらせてスプーンを置いた。

孝雄お父様も「ふむ、身の程知らずにもほどがある。我がスーパールッツの総力を挙げ、明日までに更地にするという決定に一寸の狂いもないな」と静かに頷く。

「かすみちゃん、もう大丈夫だよ。俺たちの家では、そんな冷たいこと言う奴は一人もいないから」

拓人くんが隣で優しく私の手を握りしめ、おそろいの指輪をカチリと響かせる。

「拓人さん……っ、あずみお母様、孝雄お父様……っ!」

目の前には、私を「実の娘」のように愛してくれる温かい笑顔と、スーパールッツの最高の焼きたてパン。

過去の冷たい食事会のトラウマが、貝森財閥の特大の愛によって、今度こそ綺麗に溶かされていくのを私は感じていた。

「おのれ露村、過去の食事会で我が至宝たるお嬢様にそんな精神的ブラッディ・サンデーを食らわせていたとは……ッ! ギガ万死!! 今すぐ私が現地に赴き、過保護な防空壕(物理破壊)を……ッ!!」

部屋の隅で長谷部誠のメガネがバキバキに真紅に大発光してひび割れる中、私達は笑顔で美味しいスープを口にするのだった――。

第34章:森野海斗、貝森財閥に電撃到着!お屋敷大パニック編へ続く

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