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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第25章:拓人の電撃訪問、密室のバックハグと誓いの指輪

納屋財閥の大豪邸のリビングへと入ってきたのは、青藍高校の制服の襟を正し、少しの緊張をにじませながらも、真っ直ぐで力強い瞳をした貝森拓人さんだった。

「――はじめまして、貝森拓人です。今日はかすみお嬢様と正式にお付き合いしたいので、ご挨拶にやって来ました」

男らしく、一点の曇りもない堂々としたその挨拶に、あけみお母様はパッと美しい顔を綻ばせ、両手を合わせて温かく迎え入れた。

「まぁ! いらっしゃい、お待ちしてましたわ、拓人くん」

「よく来てくれたな。さぁ、座ってくれ」と薫お父様も優しくソファーへと促し、それから3人はお茶を飲みながら、楽しそうに談笑を始めたのだった。

胸元にいつもの「自由帳」をぎゅっと抱きしめながら、その温かい光景を少し離れた場所から眺めていた、その時。

私の横にスッと影が差した。直立不動のまま控えていた執事の長谷部誠が、メガネの奥の瞳を激しい嫉妬のオーラでバキバキに発光させながら、低い声で私に囁いてきた。

「――かすみお嬢様。近々ある晩餐会のドレスのことで、少々確認したいことがございます。別室へお越しいただけますか」

「えっ? あ、はい……」

ドレスの確認というもっともらしい理由に、お父様たちも「ええ、行ってらっしゃい」と笑顔で見送ってくれる。けれど、誠に連れられて別室に入った途端――。

ガチャリ。

誠は冷酷な手つきで、部屋のドアの鍵を静かに、けれど確実に閉めたのだ。

「――いきなり何よ……!」

完全な密室になった空間で、私が驚いて声をあげたその瞬間だった。

「お嬢様……いえ、かすみ」

「ひゃ、長谷部……?」

初めて冷酷に呼び捨てにされた瞬間、後ろから力強い腕で、私の身体がぎゅっと激しく抱きしめられた。自由帳を抱えたまま固まる私に、誠は耳元で低く、狂おしいほどの独占欲を孕んだ声で囁く。

「あの青藍高校の害虫がご両親の元へ堂々と挨拶に来るなど……万死、ギガ万死に値する不届き千万。……あなたを誰にも渡したくないのです、かすみ」

「あ……っ」

名前を呼び捨てにされて心臓が跳ね上がったその瞬間、誠は私の引き締まった頬に――チュッ、と、切なくも激しい誓いを刻み込むように、どさくさ紛れの接吻をキメたのだ。

「私の檻の中に、今すぐ閉じ込めてしまいたい……。私の部屋での、過保護なお仕置きの時間はこれからですからね」

誠の熱すぎるヤキモチとほっぺへのチュッに頭を真っ白にしながらも、なんとかドレスの確認を終え、私は少し乱れた息を整えてリビングへと戻った。

楽しいティータイムも終わりを告げ、拓人さんがいよいよ我が家から帰り際を迎えた、その時だった。

拓人さんは私の前にゆっくりと歩み寄ると、ポケットから、シンプルだけれど光り輝く、とても可愛らしいペアリングを取り出した。私の震える右手を優しく包み込むようにして取り、その薬指へとそっと指輪を嵌めてくれたのだ。

「かすみちゃん、これ、おそろいの指輪。……俺の彼女だから、絶対に外したらダメだよ」

「拓人……さん……っ!」

「外したらダメだよ」というその甘くて力強い言葉を最後に残し、拓人さんは爽やかな笑顔で大豪邸をあとにした。

私の指先には拓人くんとの絆を象徴する温かい輝きが宿り、そして頬には誠から残された熱い体温が残っている。私は真っ赤になった顔で自由帳をぎゅっと抱きしめながら、二人の男たちの激しすぎる愛の嵐に、胸を高鳴らせるのだった――。

第26章に続く

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