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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第393章:魔王の不在、最上階の甘き求婚

青藍高校付属中学校の入学式で、早瀬碧とかすみが揃って現れた時――。

来賓席のさらに奥、喧騒を見下ろす影の中から、南将暉はその様子を冷徹な瞳でつぶさに観察していた。

二人が蓮を挟んで堂々と歩く姿に、周囲は「さすが早瀬夫妻」と感嘆の声を上げていたが、将暉の目は騙せなかった。碧の歩幅、かすみの視線の落とし方……二人の間に流れる、硝子細工のように脆く冷たい空気の裂け目を、彼は確実に捉えていたのだ。

「フッ……化けの皮が剥がれるのも時間の問題だな。かすみはもう一度、ここ(俺の元)に来る。早瀬碧も、所詮はその程度の男なんだよ」

将暉は確信していた。いくら子供のために取り繕おうとも、あの受話器越しの甘い声に脳を焼かれた碧が、かすみを完全に許せるはずがない。そして、繊細で碧を愛しすぎるかすみが、その拒絶に耐えられるはずもないのだと。

式が終わり、読み通りにかすみが貝森邸から失踪したという報せが入ると、将暉は歪んだ笑みを浮かべた。

「さてと……迷子の子猫ちゃんを探さないといけないね」

冷たい雨が激しく降り注ぐ夜の街。将暉は自らの息の掛かった捜索網を動かし、傘もなく、裸足のまま雨に濡れて凍えていたかすみを、早瀬碧よりも先に発見した。体温を失い、意識が朦朧としているかすみを抱き上げると、彼はそのまま高級外車へと運び込み、自らの絶対的な支配領域――南コンチェルビルの最上階にあるプライベートルームへと連れて行った。

カチリ、と強固なロック音が響く。

全面ガラス張りの窓から夜の雨と都会の夜景が一望できる、冷徹なまでに豪華な部屋。

かすみは温かい毛布に包まれ、ソファの上でようやく意識を取り戻した。目の前には、濡れた髪をかき上げ、グラスを傾けている南将暉が立っている。

「……っ、将暉……さん……? ここは……」

「目が覚めたかい、かすみ。冷たい雨の中でかわいそうに。あの早瀬碧は、君がこんなにボロボロになって飛び出しても、迎えにすら来なかっただろう?」

将暉はかすみの前にゆっくりと膝をつき、怯える彼女の濡れた頬を、蜘蛛の糸のように優しく指先で撫でた。

「あんな器の小さい男のことは、もう全て忘れるといい。君を本当に愛し、どんな姿になっても受け止められるのは俺だけだ」

かすみが絶望のなかにあっても碧を想って唇を噛み締めるなか、将暉はその瞳に底知れない執着の光を灯し、決定的な言葉を突きつけた。

「かすみ、俺と結婚しよう。早瀬碧と離婚して、今度こそ俺のものになるんだ。この最上階の城で、二人で新しい人生を始めよう」

碧との絆を失い、夜の雨にすべてを流されたと思い詰めていたかすみの前に現れた、宿敵からの悪魔のプロポーズ。外界から完全に隔離された南コンチェルの最上階で、かすみはさらなる過酷な運命の選択を迫られるのだった。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

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