第22章:凍りつく会見場!本命彼氏・貝森拓人の堂々たる奪還宣言(後編)
「――日本中の皆様、よく見ておいてください。納屋かすみちゃんの本命の彼氏は、露村でも長谷部でもない。――この俺、貝森拓人です!!」
会見場に、今日一番の凄まじいどよめきと地鳴りのようなフラッシュの嵐が巻き起こる。
生中継の向こうの日本中が「えええーっ!?」「あの納屋財閥のお嬢様の本当の彼氏って、あの男の子なの!?」と大パニックに陥った。
マイクの向こうで露村隼人が「一、一般民の分際で、我が露村の婚約者に何の口を利く……っ!」と顔を真っ青にして絶叫するが、拓人はそれを完全に無視した。
拓人は私の前に立ち、胸元に自由帳を抱きしめて震える私の小さな手を、優しく、けれど誰にも渡さないという強い力でぎゅっと握りしめてくれた。
「かすみちゃん。もう怯えなくていいよ。露村の冷酷な奴らからも、この暴走執事からも、俺が君を絶対に守り抜いて、世界一ハッピーにしてみせるから」
「拓人……さん……っ」
私の瞳から、安心と嬉しさの涙がぽろぽろと溢れ出す。
すると拓人は、集まった報道陣と生中継のカメラ、そして誠を真っ直ぐに見据え、不敵にニヤリと笑った。
「――長谷部、お前がどさくさに紛れて告白するなら、俺だってこれくらいやってやるよ。……いいか、かすみちゃんの本命の彼氏は、この俺だ!」
そう言うや否や、拓人は私の引き締まった手を引いて引き寄せると、日本中の電波の前で、私の引き締まった頬に――チュッ、と優しく、けれど深い愛を込めてキスをしたのだ。
「ひゃ、ひゃいっ……!?」
あまりの甘さに、私の頭の中は真っ白になり、顔が一瞬で真っ赤に染まる。
「お、おのれ不届き千万な害虫めがぁぁぁーーーッ!!! 生中継のカメラの前で、我が至宝であるお嬢様の純潔な頬にどさくさ紛れの接吻をキメるとは……ッ!! ギガ万死!! テラ万死ィィーーーッ!!!」
どさくさ告白を完全に上書きされた長谷部誠が、これまでにないほど激しくメガネをバキバキに歪ませて大絶叫する。
あけみお母様と薫お父様が「まぁまぁ、拓人くんったら大胆ですわね!」と顔を綻ばせる中、拓人は私の手を引いたまま、堂々と言い放った。
「露村の大嘘も、執事の檻も、俺たちが完全にぶっ潰してやる。――行くぞ、かすみちゃん!」
「はいっ……!」
頬を真っ赤に染めたまま、私は大切な自由帳を胸に抱きしめ、拓人と一緒に光り輝く未来へと力強く一歩を踏み出したのだった――!
第23章に続く




