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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第374章:受話器を濡らす蜜の罠、魔王の強襲

「どうして離婚してないんだよ……っ! 答えろ、早瀬碧!! かすみは俺の妻だ! 最初から、お前みたいな偽物の男に譲るはずがなかったんだ!!」

南コンチェルのオフィスで、南条隼人は受話器に向かって、エリートの仮面を完全にかなぐり捨てて叫んでいた。プライドをズタズタに引き裂かれ、血の涙を流さんばかりに目を血走らせている。

だが、電話の向こうの碧が口を開こうとした、その時だった。

「……ねぇ、隼人?」

別荘の寝室のドアが開き、白いドレスをまとったかすみが、ゆっくりと歩み寄ってきた。彼女は隼人が持っているスマートフォンの存在に気づいているからこそ、あえて受話器のすぐ側に顔を寄せ、これ以上ないほど甘く、とろけるような声を響かせた。

「今日は何をするの……? 私はもう、あなただけのものよ。……隼人、愛してる」

「かすみ……っ!」

隼人が歓喜に目を見張るなか、かすみは自ら隼人の唇にそっと自分の唇を重ねた。

――チュッ。

静まり返る部屋のなかに、生々しく、そしてあまりにも甘美なリップ音が響き渡る。それは、スマートフォンに仕込まれた最高性能の集音マイクを通じて、早瀬ホールのCEO室にいる碧の耳へと、ダイレクトに突き刺さった。

「ああ、かすみ、愛してるよ……!」

完全に勝利を確信し、理性を失った隼人もまた、かすみの頬や唇に、わざと碧に聞こえよがしに何度も何度も口づけを返した。

――チュッ、チュッ、チュッ……。

「ねぇ、もっと……激しくして、隼人……」

受話器の向こうから、凄まじい、地獄の底から這い上がってくるような碧の「呼吸の音」が聞こえてくる。最愛の妻が別の男の腕の中にいるという耐え難い現実、そしてその口から溢れる愛の言葉と、肉感的なキスの音。

『――南条隼人、貴様ァァァァァァッッッ!!!!』

ドォォォン!!! と、受話器が爆発せんばかりの碧の咆哮が響いた。

だが、その声は電話の向こうからだけではなかった。

バガァァァァァァンッッッ!!!

「――っ!?」

次の瞬間、別荘の頑丈なフロントドアが、凄まじい衝撃音と共に木っ端微塵に吹き飛んだ。

悲鳴を上げるセキュリティアラームのなか、立ち込める白煙を割って姿を現したのは、高級スーツを血のような怒りで濡らし、全身から漆黒の殺気を立ち昇らせた男――早瀬碧、その人だった。

「ひ、東郷……いや、早瀬碧!? なぜここに、もう来ている……っ!?」

隼人がかすみを抱いたまま驚愕して腰を抜かす。碧の手には、通話状態のまま画面がひび割れたスマートフォンが握られていた。

碧の瞳は、怒りと嫉妬で完全に正気を失い、ただの「動く破壊神」へと変貌していた。

「……南条隼人。俺の妻の唇を、その汚い口で汚した罪、万死に値する。……今すぐ、その腕ごと貴様を肉塊に変えてやる」

受話器越しのキスの音が、魔王の逆鱗を完全に消し飛ばした。怒り爆発の状態で別荘へ突入してきた早瀬碧の、容赦のない、そして血生臭い大逆襲の幕が、ついにここに切って落とされたのだった。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

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