第359章:悪魔の再選考、閉ざされる未来
早瀬ファミリーが去った後のスイートルームは、将暉の殺気によって凍りついていた。
床に転がったダイヤモンドのネックレスを、将暉は無造作に踏みつけ、カリカリと音を立てて砕いた。怒りで全身が震えているのではない。あまりの屈辱に、逆に思考が冷酷なまでに研ぎ澄まされていく。
「……親子関係がどうであれ、俺のプライドを汚した報いは、必ず受けさせてやる」
将暉は窓の外の東京を見下ろしながら、不気味に笑った。
実は、将暉は裏で着々と根回しを進めていたのだ。早瀬碧が喉から手が出るほど欲しがっている、あの名門・青藍高校付属中学。実は、次期理事長としてその学校の経営権を握るのは、他でもない南将暉自身だったのだ。
「早瀬碧には、まだ教えていない情報だったな。……さてと、来年度の入学者リストを拝見するか」
将暉はタブレットを取り出し、青藍中等部の合格者名簿を呼び出した。
そのリストの最上段には、『早瀬 蓮』、そしてその隣には親友の『貝森 湊』の名前が光っている。
「へぇ、面白いねぇ。父親の出身校に、わざわざ大事な息子を入学させようってわけか。……なるほど、これが早瀬碧にとっての『大切な宝物』というわけだ」
将暉の目は、獲物を狙う毒蛇のようにギラギラと輝いた。
「今から、この合格を取り消してもいいんだよ。……そうだな、『選考の過程に重大な不備があった』と学校側が発表すれば、誰にも文句は言えない。早瀬碧がいくら財閥のトップだろうと、学校の『公正な審査』の結果を覆すことはできないんだからね」
将暉はスマホを取り出し、青藍中の買収済みの理事たちへと冷酷な指示を飛ばした。
「蓮と湊の合格を取り消せ。不備があったという体裁でな。……碧がどれだけ絶望するか、想像するだけで楽しくて仕方がないよ」
父親の出身校という、子供たちにとっての誇りある未来。それを「事務的な不備」という言葉ひとつで奪い去ろうとする将暉の所業に、聖域であるはずの学園すらも、今や南将暉の泥沼の復讐劇の舞台へと変えられようとしていた。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




