第357章:密室の暴露、引き裂かれた仮面
「さぁ、我が南コンチェルが誇る、最上階の特別室へご招待いたします。早瀬様、どうぞこちらへ」
南将暉は、まるで極上の獲物を檻へと誘う猟師のような、冷徹で美しい笑みを浮かべて一行をスイートルームへと案内した。
自動ドアの向こうに広がるのは、東京の街を一望できる圧倒的なパノラマ夜景と、総大理石で設えられた豪華絢爛な大空間。しかし、その贅沢な密室に満ちているのは、息をすることすら躊躇われるほどの、重苦しく鋭い殺気だった。
「素晴らしい部屋ね……」と凛が胸元のダイヤを触りながら呟くなか、将暉はデスクの上から一冊の黒い極秘ファイルを手に取り、それを碧の目の前へと滑らせた。
「では、さっそく私からの『プレゼント』をどうぞ、早瀬碧さん」
「……これは何だ」
碧が氷点下の声で問いかける。将暉はニヤリと整形フェイスの口元を歪めた。
「君ほどの男でも決して掴めなかった、青藍高校付属中学の次期理事会の内部情報だよ。……そう、君の愛しい息子である早瀬蓮くんが、春から通うことになる中学校のね。お前がどれだけ金を積もうが手に入らなかった、学校の中枢を握るカードだ。どうかな、私からの素晴らしいお祝いは?」
碧の眉間が深く刻まれ、隣に立つかすみがハッと息を呑む。将暉は早瀬ホールの権威が届かない聖域を、すでに裏から掌握していることを誇示してきたのだ。だが、悪魔の挑発はそれだけでは終わらなかった。
将暉はゆっくりと、視線を驚きに目を見張る凛と、怪訝そうに眉をひそめる蓮の二人へと向けた。そして、優しく語りかけるような、しかし背筋が凍りつくほど不気味な声で、とんでもない言葉を口にした。
「……それにしても、可哀想に。君たちは、自分たちがどんな『嘘』の中で生きているか、まだ何も知らないんだね」
「え……? 嘘って、なんのことですか……?」
蓮が碧の後ろから一歩前に出て、将暉をキッと睨みつける。
「南社長、それ、どういう意味……?」
凛もまた、憧れのおじさまの口から出た不穏な空気に、持っていたスマートフォンの手を震わせた。
将暉は二人の前にゆっくりと腰を落とし、残酷な真実を、楽しむように告げた。
「そこの早瀬碧と君たちにはね、血の繋がりなんて一滴もないんだよ。……そう、早瀬ファミリーは、最初から全部『偽物』なんだ。じゃあ、君たちの本当のお父さんは、一体誰なんだろうねぇ? ――凛様、蓮様。君たちは、自分たちの本当の父親の名前を知っているかい?」
「――南将暉、貴様ァァァッッ!!!??」
次の瞬間、お屋敷のガラスすべてを叩き割るかのような、碧の地獄の底からの咆哮がスイートルームに響き渡った。かすみは「嫌ぁぁぁっ! 子供たちに何てことを……っ!」と激しく泣き崩れ、あまりの衝撃的な暴露に、凛と蓮はその場に完全に凍りつく。
暴かれた偽りの血縁、そして密室のなかで、ついに魔王の殺意が完全にリミットを解除して爆発しようとしていた。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




