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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第307章:消え去る温もり、夜空への慟哭

冷たい月明かりが降り注ぐ空中庭園で、かすみは優しい、どこまでも慈愛に満ちた笑みを浮かべていた。

彼女の瞳には、冷たいベンチの横で、並んで自分を見つめて微笑む、愛しい双子の赤ちゃんの姿がはっきりと見えていた。碧が教えてくれた、かけがえのない二人の愛の結晶――。

「颯……、瑠璃……。おいで。さぁ、夜風が冷たいから、ママと一緒に温かい病室に戻りましょうね……」

かすみは激痛が走るお腹を庇いながら、誰もいない空間に向けて、愛おしそうに両腕をそっと広げた。

さぁ、おいで。ママの胸の中に。

あの子猫をあやした時のように、優しい未来を夢見ながら、かすみは愛しい我が子たちの幻影をぎゅっと胸に抱きしめようと、両腕を強く引き寄せた。

――だが、次の瞬間。

腕の中に残ったのは、すり抜けていく冷たい夜風の感覚だけだった。

抱きしめたはずの柔らかな温もりも、小さな命の重みも、何一つとしてそこには存在しなかった。

「……え?」

かすみはハッとして自分の胸元を見つめた。

何も、いない。

衣服を掴む小さな手も、愛らしい泣き声も、すべてが夜の闇へと溶けるようにして消え去っていく。

「いないの……? 嘘……、どこ? 颯……? 瑠璃……っ!?」

かすみは狂ったように自分の腕の中を確かめ、それから冷たいコンクリートの床や、風に揺れる草花へと血眼になって視線を這わせた。だが、いくら探しても、どれほど名前を叫んでも、そこには冷徹な現実の景色が広がっているだけだった。

夢の楽園から、容赦なく絶望の底へと引き摺り下ろされた瞬間だった。

脳裏を過るのは、新生児室のガラスの向こうに『早瀬』の名字がどこにもなかった、あの悍ましい現実。

「嫌……っ、嫌よぉ!! どこにいっちゃったの……っ! 私の赤ちゃん……っ、私の赤ちゃん、返してよぉぉぉーーーっっ!!!」

空中庭園の静寂を切り裂き、かすみの悲痛な叫び声が響き渡った。

それは、我が子を失った母親の、魂を血に染めるような悲痛な慟哭だった。

「返して……! 返してよぉ南条隼人!! 私の、私と碧さんの赤ちゃんを、返してよぉぉぉーーーっ!!」

かすみはその場に激しく泣き崩れ、冷たい床に爪を立てるようにして声を枯らし、ただただ泣き叫び続けた。

「かすみーーーっっ!!!」

その時、病院からの緊急連絡を受けて、死に物狂いで廊下を走ってきた早瀬碧が、庭園の重い扉を激しく押し開けて飛び込んできた。

碧の目に飛び込んできたのは、虚空に向かって涙ながらに両手を伸ばし、狂おしいほどの悲鳴を上げている、あまりにも痛々しい妻の姿だった。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

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