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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第285章:湯気の中の約束と、新学期

「はぁ……。広いお風呂は、やっぱりいいねぇ……」

おじさまの邸宅にある、まるで高級温泉旅館かと思うほどに広々とした大浴場。

さっきまで庭で子猫たちを追いかけ回し、頭から足の先まで泥だらけになっていた子供たちは、今、並んで大きな湯船にどっぷりと浸かっていた。

温かいお湯が、遊び疲れた小さな体を優しく解きほぐしていく。

蓮が湯船の縁に頭を乗せて気持ち良さそうに息を吐くと、隣にいた凛も「本当、極楽極楽〜」と、おじさまそっくりの口調で笑って小さくお湯を跳ね上げた。

湊くんと百合ちゃんも、浮かべたアヒルのオモチャをぷかぷかと突っつきながら、すっかりお風呂を満喫して真っ赤な顔で微笑んでいる。

お湯の温もりに包まれながら、ふと凛が、湯気の向こうの窓の外を見つめて少しだけ寂しそうな声をこぼした。

「それにしても、楽しかった夏休みも、もうすぐ終わるね……」

「本当だね。毎日みんなと一緒にいられて、あっという間だったなぁ」

蓮が頷き、湯船の中で自分の足をパタパタと動かす。楽しい時間はいつだって過ぎるのが早い。

ふと何かを思い出したように、凛が湯船から顔を出して、年下の二人へと視線を向けた。

「そういえば、夏休みが終わるってことは……湊くんと百合ちゃんは、学校に持って行く準備とかした?」

その言葉に、アヒルで遊んでいた二人の手がピタッと止まる。二人はお互いに顔を見合わせると、少しだけ気まずそうに、けれど素直に声を揃えて答えた。

「……まだ用意してないよ」

「あはは、やっぱり! 宿題は終わってても、新学期の道具ってついつい後回しにしちゃうよね」

蓮がクスクスと笑う。凛は頼もしいお姉ちゃんらしい笑顔を浮かべ、二人の頭を優しく撫でるようにして提案した。

「それなら、お風呂から出たら、みんなで一緒に新学期の準備をしようよ! 筆箱の中身とか、ノートとか、僕たちが一緒にチェックしてあげるからさ」

「本当!? 凛お姉ちゃん、蓮お兄ちゃん、ありがとう!」

湊くんと百合ちゃんの顔が、一瞬でパッと明るくなった。お兄ちゃんたちと一緒にやるなら、面倒な準備も楽しいイベントに早変わりだ。

「よし、じゃあそろそろ温まったし、お風呂から上がろっか」

蓮が立ち上がろうとしたその時、百合ちゃんがハッとしたように小さな両手を叩いた。

「あっ、そうだ! 新学期の準備もだけど……猫ちゃんの新しい首輪も欲しいよね!?」

百合ちゃんのその一言に、男の子たち二人も「あ!」と目を輝かせた。

あの南条の不気味なマークがついた首輪は、かすみお姉ちゃんが外して、大人の人たちがどこかへ持って行ってしまった。今、あの優しくて可哀想なママ猫の首元には何もついていない。

「そうだね! 誰も見たことがないような、世界一可愛くて、優しくて、安全な首輪をみんなで選んでプレゼントしよう!」

凛が力強く頷く。

南条財閥が仕掛けた悪意の首輪は、もうどこにもない。

これからは、子供たちの手によって作られる、愛と優しさに満ちた「新しい首輪」が、あの猫の親子を本当の意味で救うのだ。お風呂場に広がる温かい湯気の中に、子供たちの優しい笑顔と、新しい季節への希望の歌が、賑やかに響き渡っていた。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

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