第269章:ぬくもりと、永遠の誓い
静かに開いた扉から、あやめが冷たい水に浸した白いタオルと、清潔な着替えを両手に抱えて戻ってきた。
「お待たせいたしました、かすみさん。まずはこの冷たいタオルで、汗をふきましようね」
あやめの優しい声に、かすみが小さく頷いたその時だった。あやめの後ろから、張り詰めた面持ちの、けれど誰よりも愛おしい人――早瀬碧が、静かに、しかし急いだ足取りで部屋へと入ってきた。
「碧、さん……っ」
かすみの瞳が驚きに大きく見開かれる。あやめがそっと目を細め、碧へ場所を譲るように一歩下がった。碧はベッドの縁に腰を下ろすと、かすみの青ざめた顔を愛おしそうに見つめ、その大きくて温かい両手で、かすみの震える手を包み込んだ。
「かすみ、あやめさんから話を聞いたよ」
碧の低く、心地よく響く声が、かすみの耳奥に残っていた隼人の冷酷な残響を綺麗に掻き消していく。碧の親指が、かすみの手の甲を安心させるように何度も優しく撫でた。
「怖い思いをさせてしまって、ごめんね。でも、もう大丈夫だから」
碧はさらに距離を詰め、かすみの小さな体をその広い胸の中へと、壊れ物を扱うかのように優しく、けれど二度と離さないと言わんばかりの強さで抱きしめた。かすみの鼻腔に、いつも自分を安心させてくれる碧の清潔な香りが満ちていく。
「これからは、かすみとずっと一緒にいるからね。何があっても、俺がかすみの傍にいる」
耳元で囁かれる確かな誓いに、かすみの瞳から再び温かい涙が溢れ出た。しかし、今度の涙は恐怖のものではなかった。碧の胸に顔を埋め、その背中にきゅっと手を回しながら、かすみは自分の心が急速に温められていくのを感じていた。
「碧さん……。私、私……っ」
「うん、分かっているよ。もう何も恐れなくていい。俺は絶対に、かすみから離れないから」
抱きしめる碧の腕に、さらにぎゅっと力がこもる。
あやめが傍らで、冷たいタオルを手に持ちながら、実の妹たちを見守るかのような温かい微笑みを浮かべて二人を見つめていた。窓の外の夏の夜空には、まるで二人の永遠の絆を祝すかのように、美しい星々がどこまでもきらめいていた。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




