表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
278/404

第259章 駆けつけた愛、そして最高の報せ

神宮寺クリニックの静かな待合室に、激しくドアが開く音が響いた。

コツコツと、だけどどこか焦ったような、急ぎ足の足音が診察室へと近づいてくる。

「かすみ……!」

入ってきたのは、いつも冷静沈着なはずの早瀬碧だった。

綺麗に整えられているはずの髪が少しだけ乱れ、息を乱している。私の体調が優れないという報せを受け、すべての仕事を放り出して、文字通り飛んで来てくれたのだろう。

碧さんはベッドに横たわる私を見るなり、大股で駆け寄って私の手をぎゅっと握りしめた。

「かすみ、迎えに来たよ。……遅くなってごめんね、辛かっただろう」

「碧さん……」

その温かい手の温もりに、私の胸の奥の不安がすうっと溶けていく。碧さんはすぐに視線を上げ、傍らに立つかりん先生に向き直った。

「先生、かすみは大丈夫ですか!? 何か重い病気では……!」

必死な形相で詰め寄る碧さんに、かりん先生は驚く風でもなく、フッと悪戯っぽく、だけどこの上なく温かい笑みを浮かべた。

「ふふ、早瀬ホスピタリティの若き重鎮が、そんなに慌ててどうするの? 安心してちょうだい。奥様の体調が優れなかったのは、悪い病気なんかじゃないわ」

「病気では、ない……?」

呆然とする碧さんに、かりん先生は優しく告げた。

「ええ。お腹の中に、小さな新しい命が宿っているの。――ご懐妊よ、早瀬さん。あなた、パパになるのね」

「っ……!」

その瞬間、碧さんの時間がピタリと止まった。

握られていた碧さんの手に、一瞬だけ信じられないほどの力がこもる。碧さんは目を見張り、何度もかりん先生の言葉を頭の中で反芻しているようだった。

「かすみが……俺と、かすみの、子供……?」

「そうよ。初期の大切な時期だから、悪阻つわりで食欲が落ちて点滴をしていたけれど、母子ともに健康そのもの。これからはあなたが、世界一の優しさで奥様を支えてあげなくちゃね」

かりん先生の言葉を聞きながら、碧さんはゆっくりと私に視線を戻した。

その瞳には、今までに見たことがないほどの、深い愛おしさと、堪えきれないほどの歓喜の涙が潤んでいた。

「かすみ……ありがとう。本当に、ありがとう……!」

碧さんは私の体を壊れ物を扱うかのように優しく、だけど離さないというように強く抱きしめた。

その背中が、嬉しさのあまり少しだけ震えているのが伝わってくる。

「俺、絶対に君とこの子を幸せにする。……凛と蓮も一緒に、みんなで世界一幸せな家族になろう」

耳元で囁かれる碧さんの誓いの言葉に、私は胸がいっぱいになり、碧さんの背中にそっと手を回したのだった。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ