第11章:お泊まりファミレスの甘い夜編【後編・ドキドキのパジャマパーティー】
ファミレスの第2駐車場に空輸された、ジャグジー付きの特注トレーラーバスルーム。
かすみは、最高級の泡風呂に身を包まれながら、ふぅ、と贅沢なため息をついてリラックスしていた。
「はぁ……。それにしても、どうして皆様あんなに必死になられるのかしら? 私にはさっぱり分かりませんわ……」
拓人の電撃プロポーズ、海斗の猛烈なマウント、碧の強引なタワマン誘惑、そしてグローバルアイドル『ルバッシュ』を巡る大騒ぎ。頭の中でみんなの熱い顔がぐるぐると回り、かすみはジャグジーの温かさとは別の理由で、お顔がぽっと火照ってしまうのだった。
お風呂から上がったかすみは、誠が用意した最高級シルクのパジャマに身を包み、ファミレスのVIP席に敷き詰められた王室御用達のふかふかのお布団へと潜り込んだ。
「まぁ、なんて心地よいお布団かしら……」
自由帳を枕元に置き、かすみがホッと一息ついた頃。
青藍高校の男子たちも順番にジャグジーバスを借りて、すっかりリラックスモードで戻ってきた。
特に、いつもはチャラさ全開の大翔と凌駕の二人は、お風呂上がりのドレッシングルームで、かすみ専用の最高級スキンケアセットを見つけて大はしゃぎしていた。
「な、なぁ凌駕、これってかすみちゃんの化粧水だよね? めっちゃ高級そうなボトルじゃん!」
「マジだ! お肌にすっごく良さそうだから、俺たちもちょっとだけ使ってみようぜ! なんちゃって!」
二人が揃って最高級の化粧水を顔にパシャパシャと贅沢に馴染ませた、その瞬間――。
「えっ、嘘、すごっ!!! 何これ、自分の肌じゃないみたい!!」
「うわマジ卍!! この肌の弾力、もちもちだよ!! 手が吸い付く!!」
お互いの頬を「もちもち〜!」と突き合いながら、お風呂上がりのツヤツヤ肌でファミレスの客席に戻ってきた大翔と凌駕。二人はシルクのお布団にダイブすると、目をキラキラ輝かせてかすみを見つめた。
「かすみちゃん! 今日はかすみちゃんと同じお部屋でお泊まりなんて、これほんと最高のパジャマパーティーだね!」
「そうそう! っちゅーわけで、俺らさっそくかすみちゃんの隣のポジションをキープしちゃいまーす!」
二人は拓人や海斗が他の準備をしている隙を突き、かすみの敷布団の左右の特等席へちゃっかりと滑り込んだのだ。
「おい、お前ら!! どさくさに紛れてお嬢の隣で添い寝しようとしてんじゃねぇええッッ!!!」
髪の毛を乾かしながら戻ってきた海斗が、ツブツブの瞳(?)を真っ赤にして大激怒!
しかし、大翔と凌駕は「いーじゃん海斗! いつも貝森拓人ばかりかすみちゃんと良い雰囲気になって、いい思いしてるんだからさ、今日くらい俺たちに譲ってくれたっていいよね〜?」と、悪びれもせずあっかんべーをしてみせる。
「あはは、二人ともお肌ツヤツヤだね〜。でも、かすみちゃんの隣は譲らないよ〜?」
拓人がいつの間にかふにゃりと微笑みながら二人の背後に立ち、碧も「僕の計算によれば、そのポジションは僕が座るのが最善だ」とメガネを光らせて詰め寄ってくる。
「ひゃあ……っ、皆様、お布団の中でもお騒がせですわ……っ!」
かすみはもちもちの頬を真っ赤に染めて自由帳を顔まで引っ張り上げ、青藍高校の男の子たちに囲まれた、人生で一番甘くて刺激的な夜の静寂へと溶けていくのだった。
第12章に続く




