第213章:孤高の悲鳴と、きらめく未来の発表会
南条財閥の広大な廊下に、重苦しい諦めの溜め息が響き渡った。
部屋に引きこもり、完全に心を閉ざしてしまった息子・隼人の部屋の扉を睨みつけながら、両親はついに肩を落とした。
「もう……こうなったら、縁談は一度諦めましょう」
「ああ。名家のお嬢様にここまで不義理を働いては、南条の顔に泥を塗るだけだ。あいつの頭が冷えるまで、これ以上は無理だな……」
あれほど執拗だった両親すらも匙を投げるほど、今の南条隼人は完全にボロボロだった。
閉ざされた暗い部屋の中、隼人はベッドに突っ伏し、狂おしいほどの焦燥と絶望に身を焦がしていた。
頭をよぎるのは、西園寺麗華から突きつけられた冷ややかな拒絶、そして何よりも――かつて自分が冷酷に檻に閉じ込め、突き放してしまった、かすみの面影。
「かすみ……かすみ……っ!!」
どれほど叫んでも、その名前が贅沢で冷え切った部屋に虚しく響くだけ。おじさまの完璧な鉄壁に阻まれ、居場所すら掴めない。かつて傲慢にすべてを支配していた男のプライドは完全に消え去り、そこにあったのは、ただ一人の女性を失った男の、惨めで、本当に悲痛な叫びだった。
「何でもする……お前が戻ってきてくれるなら、僕はどんなことでもする……! だから、頼むから僕の元に戻ってきてくれ、かすみ……!!」
かつてかすみが南条家で流した涙の数だけ、今度は隼人が闇の中で血の涙を流す番だった。しかし、その届かぬ悲鳴が、彼女の元へ届くことは二度とない。
◇◇◇
一方その頃――。
隼人の暗黒の絶望とは完全に切り離された、光あふれる貝森財閥の邸宅では、弾けるような笑い声と拍手が響き渡っていた。
「さぁ、みんなのジュエリーデザインが出来上がったね! これから第一回、大発表会を始めまーす!」
海斗社長の明るい司会進行の声に、子供たちは「わーい!」と大はしゃぎ。リビングの広いテーブルをステージに見立てて、四人の子供たちが誇らしげに自分たちのスケッチブックを広げた。
「まずは私と百合ちゃん! クマのぬいぐるみに付ける、おそろいのペンダントです!」
凛が描いたのは、星とハートがきらきらと散りばめられた、最高にキュートな魔法のペンダント。
「とっても可愛いわ、凛、百合ちゃん! 本物の宝石になったら、ぬいぐるみたちがもっと喜びそうね」
私がパチパチと拍手を送ると、百合ちゃんも嬉しそうに深く頷いた。
「次は僕と湊くんの番だよ! カブトムシ捕りに行く、探検隊のブローチ!」
蓮が広げたノートには、力強いカブトムシのツノをモチーフにした、ゴールドとシルバーの格好いいブローチが描かれていた。男の子らしいアクティブな感性に、拓人パパも「おお、これは男のロマンが詰まってるな! 鞄に付けたら最高に格好いいぞ」と大絶賛。
「ふふ、子供たちの感性は本当に素晴らしいな。僕の会社のデザイナーたちも驚くような、自由で温かい名作ばかりだ」
海斗社長が優しくみんなの頭を撫で、それから貝森家の大人たちの分――孝雄さん・あずみさん夫妻、拓人さん・あやめさん夫妻の結婚記念ペアデザインのアイデアも次々に披露されていく。お互いを思い合うデザイン画を前に、リビングはこれ以上ない幸福感に包まれていた。
「素晴らしいな。これほど心が躍る発表会は初めてだ」
隣に座るおじさまが、深く、本当に満足そうに微笑みながら子供たちの作品を見つめている。
そのおじさまの横顔を見つめながら、私は胸の中で深く感謝を捧げていた。
過去の檻を完全に脱ぎ捨て、おじさまや海斗社長、そして貝森財閥という本物の愛をくれる人々と紡ぐこの眩しい時間こそが、私たち一族の、誰も侵すことのできない「最強の未来」なのだと。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




