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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第208章:断絶の冷笑と、狂いゆく歯車

南条隼人の焦燥は、すでに限界を超えていた。

部下からの報告は一向に上がらず、かすみの行方は完全に闇の中。狂いそうな独占欲のやり場を失った隼人は、ついに、かつてかすみを縛り付けていたもう一つの元凶――長谷部ホールディングスへと一縷の望みをかけて連絡を入れた。

受話器の向こうから聞こえてきたのは、長谷部重光と玲子の、冷え切った傲慢な声だった。

「……おい、かすみはどこにいる。お前たちのところに隠しているんじゃないだろうな」

隼人が低く鋭い声で問い詰めると、受話器の向こうの重光と玲子は、鼻で笑うような冷たい声を返してきた。

「は? かすみって誰よ。そんな関係のない人間の名前を出されるなんて、本当に不愉快だわ」

「そうだ。我が長谷部ホールディングスにはもう何の関係もない。二度とこんな無駄な連絡をしてこないでちょうだい」

冷酷な一言とともに、ガチャリと容赦なく電話は切られた。

長谷部家にとっても、かすみや子供たちはとうに切り捨てた過去の存在。誠と麗子の離婚も成立し、自分たちの体面を保つことで精一杯な彼らにとって、かすみの行方など知る由も、興味もなかったのだ。

「クソッ……! 一体かすみはどこにいるんだ……!」

叩きつけられた受話器を睨みつけ、隼人は髪を乱暴にかきむしった。

どこを叩いてもかすみの情報に辿り着けない。世界から彼女の存在が完全に消えてしまったかのような、底知れない恐怖が隼人を襲う。

しかし、そんな隼人の絶望をあざ笑うかのように、部屋の扉が乱暴に開け放たれた。入ってきたのは、南条の家威を何よりも重んじる隼人の両親だった。

「隼人! 何をもたもたしているのです。今日もこれから、大事な御令嬢との縁談(お見合い)の席があるのですよ!」

「いい好い加減にその頑なな態度を捨てて、縁談を決めなさい! 南条の跡取りとしての責任をどう考えているのです!」

毎日毎日、壊れたスピーカーのように繰り返される両親からの執拗な圧力。かすみへの未練で心が擦り切れている隼人にとって、その声は神経をズタズタに引き裂く雑音でしかなかった。

激しい怒りと焦燥感がついに限界を突破し、隼人は両親に向かって、我忘れたように怒鳴り散らした。

「うるさい……! 縁談、縁談と、いい加減にしてくれ!」

「な、何ですって……!?」

「そんなに南条の繋がりが大事なら、父上や母上が僕の代わりにその縁談に出て、勝手に結婚でも何でもすればいいだろう!!」

「隼人、なんて無礼なことを……!」という母親の悲鳴を背に、隼人はデスクの調度品を床に叩きつけ、荒い息を吐いた。

かつては完璧な御曹司としてすべてを支配していたはずの男が、今や実の両親に子供じみた暴言を吐き散らすほどに身を持ち崩している。

おじさまや海斗社長、そして貝森財閥の圧倒的な愛と祝福に包まれ、未来のジュエリーデザインに胸を躍らせているかすみたちの眩しい世界。

その光が強くなればなるほど、南条の檻の中で自縄自縛に陥り、狂気と絶望の泥沼へと沈んでいく隼人の夜は、どこまでも醜く、深く更けていくのだった。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

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