第207章:未来を彩るデザインと、胸に秘めた感謝
リビングでは、高校時代の思い出話から現在のビジネスの話題まで、拓人さんと海斗社長を中心にすっかり話が盛り上がっていた。洗練された大人たちの笑い声が響く中、海斗社長がふと、机に並んで宿題をしていた子供たちのほうを優しく見つめた。
「ねぇ、湊くんに百合ちゃん、それから凛に蓮」
海斗社長の呼びかけに、四人の小さな頭が同時にパッと上がる。海斗社長は悪戯っぽく、けれど最高にプロフェッショナルな輝きを瞳に宿して微笑んだ。
「実はね、今度僕の会社で新作のジュエリーを作りたいと思っているんだ。もしよかったら、四人の感性を取り入れてみたいから、デザインをお手伝いしてもらえないかな? 夏休みの宿題として、みんなが実際に身に付けてみたいアクセサリーのイメージを自由に考えてみてほしいんだ。どうかな?」
「ええっ!? 私たちがジュエリーのデザインを!?」
「すごーい! やってみたい!」
海斗社長からのあまりにも素敵なサプライズ提案に、凛と百合ちゃんは飛び上がって大喜びした。蓮と湊くんも、目を真ん丸にしながら「僕たちのアイデアが本物の宝物になるの!?」と興奮を隠せない。
「そうだよ。たとえばね……」
海斗社長は手元のノートに素早くペンを走らせながら、楽しそうにアイデアを膨らませていく。
「昨日みんなで選んだっていう、凛と百合ちゃんのおそろいのぬいぐるみ。あのクマたちに付けるための、小さくて可愛いおそろいのペンダントなんてどうかな? それから、蓮と湊くんには、これからみんなでカブトムシ捕りに行く『探検隊』をイメージした、格好いいおそろいのブローチとかね」
「わぁ……探検隊のブローチ! 絶対格好いい!」
「ぬいぐるみのペンダントもおそろいだなんて、夢みたい!」
子供たちのクリエイティブな想像力は一瞬で弾け飛び、ノートに思い思いの形を描き始めようとした。すると海斗社長は、優しく見守ってくれている貝森財閥の大人たちのほうを振り返り、さらに素晴らしい提案を口にした。
「もちろん、いつも凛と蓮がお世話になっている貝森財閥の皆様にも、何か特別なプレゼントをしなきゃいけないね。……そう言えば、孝雄さん・あずみさん夫妻と、拓人・あやめさん夫妻は、確か結婚記念日がとても近いと聞いたけれど、どうかな?」
その言葉に、大人たちは驚きつつも、どこか照れくさそうに顔を見合わせた。
「ええ、実はそうなんだよ。よく覚えているね、海斗」
拓人さんがあやめさんの肩をそっと抱き寄せながら微笑むと、海斗社長は深く頷いた。
「それなら決まりだ。これからずっと、お互いを大切に思い合えるような、世界に一つだけの記念のペアプレゼントを僕に作らせてほしい。さぁみんなで、大人たちの分も一緒にデザインを考えよう!」
「「「「おーっ!!」」」」
リビングは一気に、笑顔とワクワクする熱気に包まれた。子供たちも大人たちも一緒になって、大切な人を思い浮かべながらデザインのスケッチを始める。
その眩しすぎるほど幸福な光景を見つめながら、私――かすみは、隣に座るおじさまの手元をそっと見つめた。
「おじさま……みんなで考えるデザイン、きっと世界で一番素敵なプレゼントになりますね」
私がそっと呟くと、おじさまは「ああ。心のこもった贈り物に勝る宝物はないからな」と、いつもの頼もしい声で優しく応えてくれた。
(本当に、素敵……。でも、おじさま)
みんなが誰かのために一生懸命プレゼントを考えている姿を見て、私の胸の奥が温かいおねだりと、小さなしがみつくような切なさで満たされていく。
(私……おじさまにも、何か特別なことをしてあげなきゃいけないのに。かつて暗闇にいた私と子供たちを救い出し、こんなにも輝かしい世界をくれたおじさまに対して、私はいつも助けてもらうばかりで、何一つお返しができていないわ……)
溢れるほどの富と権力を持ち、完璧に私たちを守ってくれるおじさま。その大きな背中を見つめながら、私は心の中で深く、深く呟いた。
――おじさま、いつも本当にありがとう。私もいつか必ず、おじさまを世界一幸せにできるような、最高のプレゼントを贈るわ。
南条隼人が冷え切った部屋でかすみの幻影を追いかけ、一人寂しく絶望していることなど、今の私たちには完全に別世界の出来事だった。
海斗社長と貝森財閥、そして最愛のおじさまと繋がった強固な絆の中で、かすみたちの夏休みは、誰も追いつけないほどの優雅さと幸福に満ちて、さらに深く進んでいくのだった。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




