第165章:切り捨てられた血脈〜長谷部の冷徹なる損切り〜
長谷部ホールディングスの重厚なリビングに、重苦しい空気が漂っていた。
長谷部重光と玲子(義母)は、凛と蓮が姿を消したことに苛立ちながらも、その「消えた」という事実にすら、大した関心を示していないようだった。彼らにとって重要なのは、長谷部の名に傷がつくことだけなのだ。
「もういい。あの子供たちは『失敗作』だ」
重光が冷ややかに言い放つと、玲子も同意するように深く頷いた。
「ええ、そうですわ。あの子たち、結局最後まで母親の匂いを求めて泣き叫ぶばかり。高貴な長谷部の血を引いているとは思えないほど、情けない子供たちでした」
高倉麗子と誠が、肩をすくめて立っている。麗子は「私には手に負えませんでしたわ」と、どこか他人事のように振る舞っていた。
「誠、麗子。諦めなさい。あんな出来損ないにこれ以上時間をかけるのは無駄だ」
重光は誠を睨みつけ、冷酷な命令を下した。
「すぐに、お前たちの間に新しい子供を授かりなさい。長谷部の正当な跡継ぎとして、最初から我々が教育する。あんな、南条の血とかすみの臭いが染み付いた子供など、最初からいなかったことにすればいい」
「……っ!」
誠は言葉を詰まらせた。彼は内心で子供たちの身を案じているはずなのに、父の威圧的な視線の前では、一言も反論できないのだ。
「いいか、今のうちに南条財閥へ伺う。南条隼人には、こちらの『処分』の意向を伝え、かすみという女の扱いについて最後に釘を刺しておく必要がある。……準備をしなさい」
重光の言葉は、まるでゴミを処分するような響きを持っていた。
彼らは知らない。自分たちが「処分しよう」と決めた子供たちが、すでに彼らの手の届かない場所へ消えてしまったことを。そして、その子供たちが今、どれほど温かい愛に包まれているかも知らず、傲慢にも南条隼人の元へ乗り込もうとしている。
彼らの冷淡な会話を聞きながら、誠はただ拳を強く握りしめていた。
かすみさんの子供である凛と蓮を、ただの「失敗作」として葬り去ろうとするこの家に、誠は深い絶望を感じていた。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




