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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第7章:お嬢様と踊る、奇跡のダンスパーティー?【後編・海斗のターン】

「はーい、皆さん! 曲の区切りでパートナーチェンジですよー! 次のペアと手を取り合ってー!」

中庭の特設ステージから、マイクを持った先生の陽気なアナウンスが響き渡った。

その瞬間、拓人の大きな手から、かすみの小さな手がそっと離れる。

「あ〜あ、終わっちゃった。かすみちゃん、ありがとね。すっごく幸せだった」

拓人はいつものマイペースな笑みに戻り、首にヘッドホンをかけ直しながらふにゃりと微笑んだ。

かすみがホッと息を吐き、ドレスの裾を整えようとした、その時だった。

どすん、どすん、と地面を文字通り揺らすような、凄まじい地響きが背後から迫ってきた。

驚いてかすみが振り返ると、そこには、頭のてっぺんから煙を噴き出さんばかりに怒り狂った森野海斗が、金髪を逆立て、ツブツブの瞳(?)にどす黒い嫉妬の炎をメラメラと宿しながら歩いてくる姿があった。

「拓人てめぇぇぇ……! 買い物の社会勉強の時からお嬢を見てただとォォォッ!? よくもぬけぬけと結婚前提なんて言葉吐きやがったなァァァッッ!!!」

海斗はまるで地獄の業火を背負った明王のような形相で、かなり怒りながらかすみの前へと突き進んできた。その迫力に、周囲の不良生徒たちも「ひぃっ、ボスがマジギレしてる……!」と一斉にクモの子を散らすように道をあける。

海斗は拓人をギロリと睨みつけて咆哮した。

「どけ拓人! 次はお前じゃねぇ、俺の時間だァァァッッ!!!」

そのままかすみの目の前にドスンと立ち塞がると、海斗は肩を激しく上下させ、怒りのあまりギリギリと奥歯を鳴らしながら、かすみをキッと見つめた。

「お、お嬢……っ! さっきの拓人のふざけたプロポーズなんか、1ミリも気にするんじゃねぇぞ! あの時、スーパルッツで泣きそうになってたお嬢の手を引いて、男らしく連れて帰ったのはこの俺だ! 誰が何と言おうと、お嬢を一番最初に守ったのは俺なんだからなッッ!!!」

ものすごい大声で、怒りと独占欲を爆発させる海斗。

しかし、そうやって一生懸命に自分の男らしさをアピールし、いざかすみの小さな手を握ろうと右手を差し出した瞬間――かすみの純白のドレス姿が間近で目に入り、海斗の脳細胞は一瞬でオーバーヒートを起こした。

「あ……っ、お、お嬢……お前、マジで……その……マジで綺麗すぎるだろ……っ」

さっきまでの怒髪天を突くような怒り顔はどこへやら、海斗は顔面を火炎放射器のように真っ赤に染め上げ、借りてきた猫のようにガタガタと震え出してしまったのだ。不器用な大型犬のツンデレ(デレが大爆発)っぷりである。

「まぁ……海斗さん。手を引いて連れて帰ってくださったこと、私、今でもとっても感謝しておりますわ。……今度は、私と一緒に踊っていただけますかしら?」

かすみがひだまりのような笑みを浮かべ、海斗の手を優しくそっと握り返す。

「お、お嬢ォォォォォーーーーーッッ!!!! 踊る! 喜んで踊らせていただきますゥゥゥッッ!!!!」

海斗の怒りは一瞬で宇宙の彼方へ消し飛び、嬉しさのあまり涙をブワッと溢れさせながら、薫お父様から教わった通りのステップ(?)で、不器用にかすみと踊り出すのだった。

だが、そんな二人のダンスを、メガネの奥の瞳を冷酷に光らせた早瀬碧が、そして上空から今まさに命綱なしで降下してこようとしている過保護執事・誠が、絶対に黙って見ているはずはなかった――!

第8章に続く

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