表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
165/396

第147章:屈服の代償〜檻の中の降伏〜

納屋財閥の本邸。幼い頃から見慣れたはずのその廊下も、今は冷たく無機質な牢獄のように感じられた。

私は凛と蓮をベビーベッドに寝かせ、震える手でスマートフォンを取り出した。画面に表示されているのは、私が二度と掛けたくなかった名前――南条隼人。

「……もしもし」

コール音が鳴るか鳴らないかのうちに、隼人は出た。まるで、この時をずっと待ちわびていたかのように。

「ようやく戻ったか。納屋の屋敷は、随分と懐かしいだろう?」

電話越しに聞こえる彼の声が、私の背筋を凍らせる。隼人は、私がここに戻ることをすべてお見通しだったのだ。

「……ええ。戻ったわ。納屋財閥の屋敷にいる」

私は精一杯、強がって告げた。

ここへ戻れば、もう誠さんの元へは戻れない。二度と、あの穏やかな日々へ帰ることはできない。

それでも、誠さんを隼人の狂気から守るには、この道しかなかった。

「これで……満足でしょう?」

私は呼吸を整え、唇を噛み締めて言い放った。

「凛と蓮は、南条隼人の子どもになったのよ。戸籍も、何もかも、あなたの言いなりにするわ。だから……これ以上、長谷部ホールディングスには手を出さないで」

沈黙が流れた。電話の向こうで、隼人が低く、愉悦に満ちた笑い声を漏らしたのが聞こえた。

「満足、か。ああ、最高だ。……かすみ、お前が自らその足で、俺の所有物の証明である納屋へと帰還した。これほど心躍ることはない」

「……二度と、私の人生に誠さんを巻き込まないで。それが約束でしょう?」

「約束? お前との契約に、俺が誠実である必要はあるか?」

隼人の冷酷な響きに、私は膝から崩れ落ちそうになった。

彼は最初から、私を騙していたのだ。戻ったところで、誠さんが無事である保証などどこにもない。

それなのに、私は……。

「凛と蓮は、俺の宝物だ。大切に育ててやるよ。……お前という名の『母』と共に、な」

電話が切れた。

私はスマホを握りしめたまま、広い屋敷の中で一人、ただ震えていた。

もう、ここには誰もいない。誠さんの優しい眼差しも、温もりも。

私の世界から色が消え、ただ冷たい「南条の血」だけが、私と子どもたちを支配する時間が始まったのだ。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ