表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
124/392

第106章:支配者の疑惑〜誠への冷徹な問いかけ〜

「……かすみ、遅いな」

料亭の個室で、私は手元の酒杯を軽く弄びながら、低い声で呟いた。

秘書である誠は無表情を貫いているが、その目はかすかに揺れている。私と同じく、かすみの不在が気になっているのだろう。

「まさか、勝手に帰ったのではあるまいな」

私が不機嫌にそう言い放った瞬間、襖が静かに開かれた。

顔色を青ざめさせた料亭の女将が、深々と頭を下げて入ってくる。

「南条様……申し上げにくいのですが、奥様が……化粧室で激しくうずくまっておられまして」

「……なんだと?」

「お顔色がひどく悪く、これは……早急にお医者様へお連れになったほうがよろしいかと」

女将の言葉が脳内で反響する。かすみが倒れた? 私の知らないところで、私の妻が、苦しんでいる?

私は、これまでの彼女の様子を思い返した。朝からどこか様子がおかしかったか? いや、そんなことは――。

いや、違う。昨夜から、彼女は確かに何かに怯えていた。それを見落としていたのか、私という支配者が。

ふつふつと、怒りとも焦燥ともつかない感情が胸の内で煮えくり返る。

私は、隣に控える誠の方へと、ゆっくりと視線を向けた。

「誠」

「……はい、旦那様」

「かすみの体調については、お前も知っていたのか?」

誠の表情が、一瞬だけ凍りついたのを私は見逃さなかった。

やはり、知っていたのだ。この男は、私に報告せず、妻の様子を黙って見守っていたのか?

「……お前は、何を知っている。誰より近くにいて、私の妻の異変に、なぜ気づかなかったのか。それとも――わざと、私に隠していたのか?」

私の問いかけに、誠は沈黙を守る。

その沈黙こそが、私の中で何かが切れる音のように響いた。

107章に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ