表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
118/396

第100章:給湯室の告白〜彼が嘘をついた理由〜

南条隼人の秘書としての業務は、息が詰まるような緊張感の連続だった。

ただでさえ心が死んでいるのに、幸せそうな夫婦たちを見せつけられたことで、私の心身は完全に限界を迎えていた。

体調が優れず、私は逃げ込むように給湯室の冷たい壁に寄りかかっていた。

目の前には、私を心配して追いかけてきてくれた執事の誠がいる。

彼の顔を見た瞬間、もう強がる余裕なんて1ミリも残っていなかった。

「ねえ、誠……」

私は、ずっと胸の奥に閉じ込めていた真っ黒な絶望を、ポツリポツリと吐き出し始めた。

「私ね……貝森拓人と如月あやめが結婚して、子供がいたのを知ってしまったの」

誠の目が、わずかに見開かれる。

「男の子だった。拓人の顔にそっくりで……『みなと』って呼ばれてたよ。無邪気で、本当に……子供、かわいかったよ……」

思い出すだけで、胸が刃物でえぐられるように痛い。堪えきれなくなった涙が、ぽろぽろと零れ落ちた。

「でもね、一番ショックだったのは……拓人が私の顔を見た瞬間、『親戚の子供なんだ』って言ったことなの」

震える両手で顔を覆い、私は泣き崩れた。

結婚していたことよりも、子供がいたことよりも。私の前で、あんな情けない嘘で事実を隠そうとしたことが、私の心を何よりも深く、残酷に殺したのだ。

「ねぇ、誠……どうして? どうして拓人は、あんな嘘をつくの……?」

その悲痛な問いかけに、誠は何も言わず、ただ痛ましそうに私を見つめていた。

101章に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ