表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
116/386

第98章:純白の絶望と、鳥かごの夜〜帝王の完全な支配〜

豪華絢爛なシャンデリアが輝く式場。

鳴り響く祝福の拍手とウェディングベルの中、納屋かすみと南条隼人の結婚式は始まった。

誰もが羨むような豪奢な純白のドレスを身に纏いながら、私の心にはずっと、ぽっかりと冷たい穴が空いていた。

(きっと、隼人さんは全部知っていたんだ……)

貝森拓人が結婚していることも、あの丘に子供と一緒にいることも。

私が直接それを目の当たりにすれば、拓人への想いを完全に諦め、絶望することすらも計算して、わざと私を泳がせていたのだ。

抗う気力すら奪われた事実に、私は式の途中で急に気分が悪くなり、一人で控え室へと逃げ込んだ。

ソファに崩れ落ちると、我慢していた涙が後から後から溢れて止まらなかった。

どれくらい泣いていたか分からない。

突然、控え室のドアが「ガチャン」と冷たい音を立てて開いた。

そこに立っていたのは、今日から私の「夫」となる男、南条隼人だった。

彼は泣き濡れた私の顔を見下ろすと、何の慰めの言葉もかけず、ただ低く、絶対的な声で言い放った。

「……最後まで、俺の隣にいろ」

それは夫としての優しさではなく、絶対的な支配者からの命令だった。

私は逆らうこともできず、ただ頷き……愛のない結婚式は、淡々と最後まで続いた。

そして、その日の夜。

南条家の広大な寝室で、私は一人、冷たい窓の外を見つめていた。

すると、背後から大きな影が近づき、力強い腕が私を後ろから深く抱きしめた。

隼人さんだ。

私の耳元で、彼が低く甘い、けれど逃げ場のない声で囁く。

「かすみ、全部忘れろ。貝森拓人はもう来ない」

ビクッと肩を震わせた私を、さらに強く腕の中に閉じ込めながら、彼は決定的な言葉を告げた。

「明日から、南条財閥の秘書として俺の傍におくからな」

妻として家に閉じ込めるだけでなく、仕事でも、日常でも、私のすべてを彼の支配下に置くという宣言。

それは、納屋かすみという人間の自由が、この世界から完全に奪われた瞬間だった。

99章に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ