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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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第86章:身を引く愛と親たちの逆襲〜貝森財閥からの最後通牒〜

私は結局、華やかな婚約披露パーティーの会場に戻ることなく、誠さんの運転する車でひっそりと納屋家の屋敷へと帰ってきてしまった。

南条隼人は激怒するかもしれない。でも、もう私の心は限界だった。

「……これでよかったのよ、誠さん」

後部座席で静かに外の景色を見つめながら、私は誰にともなく呟いた。

「拓人くんは今、必死にスーパールッツを立て直そうとしている。私が彼のそばにいて邪魔したらいけないでしょ? それに……私が彼と関わり続ければ、あの如月あやめが嫉妬に狂って、また違う形で貝森財閥を狙うかもしれないもの」

私は自分の恋心にきつく蓋をして、愛する人を守るために、完全に身を引く決意を固めていた。

一方その頃。

完全に崩壊の危機に瀕している如月財閥の豪奢な本邸に、二人の人物が乗り込んでいた。

貝森拓人の両親である、貝森孝雄とあずみ夫妻である。

応接室で顔面蒼白になっている如月大和と、泣き腫らした目で震える如月あやめを前に、孝雄は氷のように冷ややかな声で言い放った。

「私達は、如月財閥のこれまでの悪質な企業潰しについて、徹底的に法的に争うつもりです」

「ま、待ってくれ貝森社長! そこをなんとか穏便に……っ」

大和が必死にすがりつこうとするが、隣に立つあずみ夫人がそれをピシャリと制した。

「穏便に、ですって? あやめさんはまだうちの息子に未練があるそうじゃありませんか。……それなら、あなた方が出した『毒饅頭』の証拠を公にしない代わりに、如月財閥の全財産を私たちに下さいよ」

「ぜ、全財産……!?」

絶句する大和とあやめに、あずみ夫人は容赦なく追撃の言葉を叩きつける。

「あなた方、政界や財界とも随分と親しいと聞きました。その黒い繋がりと残った資産をすべて使って、スーパールッツを元の状態に戻しなさい。そして、二度と私達の目の前から消えて下さい」

そして、孝雄が一歩前に出て、如月親子の心臓を鷲掴みにするような『最後通牒』を突きつけた。

「うちの息子からすべてを奪い、かすみお嬢様の心まで踏みにじった罪は重い。……納屋財閥を完全に敵に回すと大変なことになりますよ。これは、忠告です」

如月財閥よりもはるかに巨大な『納屋財閥』の名前を出された瞬間、大和とあやめは完全に絶望の底へと叩き落とされ、その場に崩れ落ちた。

そして翌日。貝森孝雄の言葉通り、貝森財閥は如月財閥に対して正式に巨額の損害賠償を求める訴えを起こした。

悪女の身勝手なワガママから始まった陰謀は、ついに裁きの時を迎えようとしていた――。

87章に続く

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