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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki


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第4章-68 レイの悲願

ー裁判長室ー


裁判長室では、レイが床に頭をつけ、セキに懇願していた。


「セキ様、どうか……。

どうか考え直してください。


落石現場に裁判長自ら行くなど、聞いたことがありません。


調査隊から、部分的とはいえ落石が続いているとの報告があります。危険すぎます。」


セキの目は冷たく、明らかに苛立っている。


「レイ、そのみっともない姿は何だ?


立て。

お前には調査の間、裁判長代理を任せた筈だ。


その姿を誰かに見せてみろ。

誰がお前の命令を聞くと思っている?」


「ですから、私が代わりに行きます!

セキ様をそんな危険な場所に行かせられません!!」


セキはレイの腕を掴み、無理やり立ち上がらせた。

あまりの痛さにレイの顔が歪む。


「うっ、痛っ……。」


「立てと言ったのが聞こえなかったようだな。

レイ、発掘現場の予算を引き下げたのは私だ。もしそれが原因ならば、私は首を国民に捧げる覚悟だ。」


レイはセキの手から抜けようとしたが、セキは離さない。


セキは眉ひとつ動かさず、話し続けた。


「だが、もしも原因が私でなければ……。


分かったか、レイ。

この調査は私が行かねばならない。


お前は早く業務に戻れ。

何かあれば書面を送れ。処理してやる。」


突き放すようにレイから手を離す。

レイは掴まれた肩を抑え、唇を噛み締めた。


「セキ様……かしこまりました。

……どうか、お気をつけて……。」


「それで良い。よろしく頼む。」


セキは裁判長室をあとにした。


セキが裁判所を出ると、調査隊が馬車と共に待っていた。


彼らと共に颯爽と馬車へ乗り込む。


セキの合図で馬車が勢いよく走り出した。


セキは流れる街を見ながらつぶやいた。


「レイのやつ、あんな姿を見せるとは……。」


セキは少し口元を緩め、外を見た。

調査隊達はセキの笑顔に戸惑いを見せている。


ふと、セキの目が反対側から走ってくる馬車を捉えた。


「あれは…誰だ?」


すれ違った馬車の中には、コウが見知らぬ子供を膝に乗せ、笑い合う姿が一瞬だけ見えた。

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