第1章-6 再開の夜
辺りには、無数の光が走っていた。
僕はいつの間にか、電子世界に戻ってきていた。
近くにはバッグが転がり、腕の中には、フクロウだったはずの黄金の玉がある。
「やあ、また会ったね。」
とても楽しそうな声が、背後から聞こえた。
振り返ると、青いフクロウを従えたあのAIがいた。
「旅はどうだった?」
「え?……どうって?」
思わず玉をぎゅっと握りしめた。
「僕……まだ何もしてないよ。」
彼が笑う。
「なんだ、戻りたいのか?
私には、君が鳥達や鎧と出会い、風呂に入れて満足していたように見えたが?」
「それは……確かにそうだよ。
でも、できたら戻りたい。
やっと、誰かに会えたんだから。」
「誰かに会えた……か。
あの世界には、あの鎧以外にも多くの“誰か”がいる。
君は耐えられるのかい?」
思いがけない言葉に、眉を顰める。
「それって、どういう意味?」
彼は軽く手を叩いた。
“パンッ”と軽い音が鳴る。
「どういう意味……か。
その言葉を聞いて、より君の旅の続きが楽しみになった。
それに、最初に会った時の不安な顔より、今は“より良い不安な顔”をしている。
それは成長の証だ。」
彼は僕の前にしゃがみ込む。
「これからの君の旅は、
誰かを巻き込むのか。
誰かに巻き込まれるのか。
それとも、この電子の海に戻ってくるのか。」
彼が話すたびに、声がだんだん遠くなっていくような気がした。
「君が何を選ぶのか……楽しみにしているよ。」
目を開けた。
そこは、ガーディの寝室だった。
昨夜のように、腕の中ではフクロウが眠り、バッグはテーブルの上に置かれている。
違っているのは、窓の外に青空が広がっていることだった。




