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二分のギルド 5

 街へ戻ったゲイルはダンジョンにいるヴィンスから食料の件で連絡を受けた。エウロたちはアシュリーとセイロンがお世話になったギルドに二人が帰らぬ人になったことを伝えに。

「ではいくぞ」

 モニカたちは宿を出る。


ご主人がモニカをチラチラ見て、すぐに部屋に歩いて行った。


「まだエリスさんのこと慕ってる」


「もういないのに」


「エリスさんなら、私たちも探したい」

 フィアがそう言うとハーゼリアとスカルベも同意するよう顔を見た。




 モニカたちは宿屋から出て教会に向かった。途中、商会のアルスに声をかけることに。


「おはようございます」


「よく戻ってきた皆」

 アルスが商会から外に出てきた。


「戻ったけど死ぬかと思ったわー、命が助かったのは彼らのおかげ」

 モニカはスカルベ達を紹介するように手を向ける。


「元メンバーとして感謝する」

 スカルベたちに頭を下げるアルス。

「おやっ?」


「ライムでしょ、彼はダンジョンに泊まり修業することになったの」


「ダンジョンで泊まって修業か!それは大したもんだな」


「私も驚いてる、それはそうとアルスさんにブルーオーシャンのギルドの事で頼みたいことがあるの」


「そのギルドならお前達より知っていると思うが」


「アシュリーとセイロンがその・・死んだの。それで力になってあげてほしい」


「亡くなった!?あのアシュリーとセイロンが死んだのか!?」


「ええ」



「それで皆はどうしたんだ?」


「一度帰ってきました。また修業をしてダンジョンへ行くつもりです」

とカタリナ。


「しばらくしたらな」

 見慣れないドラゴン族の男が答えると、アルスは何かに気づいた。


「合っている、エクセアだ」


「やはり、そうか!あなたたちが出てくる事態になったのなら仕方ない」


「これから教会に行って修業をするの。もし用事があったら外か宿屋に来て、モニカたちがいるから」

 シャティが言葉を添える。


「では」

 アルスにお辞儀をモニカたちも急いでついて行く。


 襲撃で破壊された街の修理は、ほぼ終わっていた。あとは細かな箇所を残すだけ。商会を抜け教会前の広場には取り換えたレンガや木がまだ少し置いてあった。ダンジョンが開いてから、街に平穏は訪れず不穏な影が差していた。




 教会に到着、セイラが見当たらない。


「セイラいませんか?」


「あっ、セイラ? たしかこの先を右に曲がった食堂の床を拭いているわ。終わったら、この床を掃除に来ますがどうしますか?私が呼んで来ましょうか?」


「いえ、私たちが直接行きます」


 通路を抜け食堂に行くと、セイラが机や椅子を上手く避け掃除していた。セイラに声をかけずその姿をモニカは見る。


「何を見ているんだ?」

 待っていられないスカルベ。


「掃除が終わるまで待っていましょう」


「忙しそうですね」

 苦笑いするカタリナ。


 しばらく見ていたが、終わりそうにない。


「お祈りだけしていきましょう」

 モニカは言って聖堂の方へ戻った。


 天使の銅像の前でお祈りを捧げるモニカ、アッキー、カタリナとスカルベ、シャティ、フィア。

遺骨に向かい、心の中で言葉で哀悼の意を表す。そしてこれからの修業の安全を祈願した。


「・・・・」

 二人が目を開き祈りが終わるとスカルベは先頭を行った。


 教会を出て一言、

「これから街を出て修業をする」




「アッキーお前は俺が教えるから、モニカとカタリナは二人に教えてもらえ」


「はぃ」


「あのどうしてライムさんと離れたんですか?」


「その方が集中できる。自分と見つめ合い己の心を強くなるように鍛える、それからが勝負だ」

 話しながら街を出た。


 岩に囲まれた四角形の世界の角には、オアシス湖、トンネル(ダンジョンに通じる)、ツリーシードがあった。そのうちの一つ何もない場所で修業をすることになった。


「まずは一か月ほど修業をする、もちろん夜は街へ戻るぞ。但し半分は歩きだ」


「ええ~っ!体力つけるため走るからラクーダで移動させて~」


「言われたことをやるのが修業だ」


「モニカは私が教えるから、フィアはカタリナをお願い」


「わかった」




「お前は戦士だ、この世界のレベルで表せば中の下だろう。それを一気に上まで押し上げさせてもらうぞ」

 アッキーの前に立ち、想像を絶することを宣言するスカルベは恐かった。おそらく壮絶な修業が待つ。


「はいっ」


 スカルベがアッキーのステータスを確認する。


Nameアッキー Job Warrior EXP 305444 Gold 1525

States

Lavel     24

Hit Point   224

Magic power  -

Attack    165

Guard     166

Magic     -

Magic Guard  102

Agility     84

Luck     105


「うむ・・まずは俺の攻撃をガードすることから始めよう。ダメージ0で受け止めろ、もしダメージを喰らうと死ぬ事もあるから気を引き締めてやれ」


「はぃ」


「始め・・」


「バシッ!」

「ズザザザザザザッ、バタッツ、ザザザザザァ・・・」


 突然、蹴りを食らわしたスカルベ。何の準備もさせない。アッキーは身構える動作をとる前に飛ばされた。


「見ていたか?」


「な」


「・・・・・」


「ドスンッツ!!」

 話している最中に来るかもと思ったアッキーの盾にのしかかる衝撃、ドラゴン族はその身体能力と翼を活かし攻撃に転ず。今のは、受けたというより盾に当たってきた感じだ。


「ガン、ガン、ガン、バシッ」


「うぐっ」

 スカルベは三回盾を殴り、一回盾に足蹴りを食らわす。盾で受けるアッキーは体重に無関係に左右に揺さぶられる。それほど強力な攻撃。


「バサッツ!バサッ、ヒュー」

 スカルベが空を飛んだ。


「―――?」


「ドスッ、ぐぁっ!」


「バサザザ!ザザザザァァァ・・・」

 アッキーは背中から手の平を当ててきたスカルベに前へ突きとばされた。


「・・・んで」


「空に飛んだら遅いと思ったか?」


「・・んん」


「お前は死んでもいいと思っていないか?」


「僕は」


「バキィ!」


「うぐぶっ!」

 アッキーは顔を殴られた。


「お前が先に倒されれば仲間も後で倒される。ギルド冒険者には一人一人の責任と役割がある。その中で、攻撃に対する全ての防御はお前が担え」


「はぃ」


「盾が無くなれば一方的に攻撃を喰らうだけだ。かわすのにも限界がある。その限界を超えた攻撃は、お前が前に出て全て受けとめろ。戦士の優れた所はHPと防御力が高い点だ、お前の体はそのためだろ」


 アッキーは何も答えなかった。


「ドフッ」


「ぅゎぁぁ・・」

 ガードが追いつかずアッキーの腹に拳が食い込む。


「バタン」

 アッキーはお腹の激痛で気絶した。


「・・・・・ジャリ」

 その姿をモニカは見ていた。






「モニカ、覚えた魔術を確認するためメニューを開いて」

 シャティがモニカに言うと、


「あんまり自信ないけど、見せなくちゃいけないんでしょ」

 モニカがメニューを開く。


Nameモニカ Job wizard EXP 321597 Gold 1525

States

Lavel     24

Hit Point   145

Magic power  150

Attack     85

Guard     95

Magic     140

Magic Guard  155

Agility    120

Luck     109


 ステータスが表示される、スキルのボタンをタッチしスキル欄の魔術を見ているシャティ。

「う~ん炎の魔術が得意なんだー。まだ覚えていないものはエクスプロードとファイアバードの二つか。どうするモニカ?」


「炎最強魔術を覚えて、ダンジョンマスターに勝ちたい」


「ということはその魔術書に詳細があるわけか」


「これはエリスさんにもらいました」

 魔術書を抱き、明るく答えるモニカ、


「それで覚えたの?」


「はい、ただ水魔術がうまくいきません。だからエリスさんには練習を欠かさないように言われました」


「そうなんだ・・。魔術は失敗しなければ、魔力の消費も効果も変動はしない。だけど、使い方一つで効果を上げる方法があるの。

 例えば火と風、水と雷、氷と土の組み合わせを、それぞれ2人で詠唱すると重なり合って威力が何倍にもなるのよ。但し、火と水、風と土、氷と雷という組み合わせだと効果半減したり、相殺したりする」


「そういうのは得意よぉ」

 モニカは腰に手を組んで調子が良い。


「精霊は見えてる?」


「えっ!ほとんど見えません」


「じゃあ、霊神は?」


「見えない」


「はぁ~しょうがないわね、それじゃー水魔術から練習してみましょう。まずはウォーターガンからやってみて」

 少し離れるシャティ、


「はい」


「撃て、詰められた鉄砲水!」

「ウォーターガン!!」


「どう、見えた?」


「いいえ、何も」

 真っ赤になり恥ずかしそうなモニカ。大魔法使いエリスに教わった魔法使いなのに格好悪いと思った。


「次、ウォータースプラッシュよ」


「はい」

「跳べ、波紋の水滴!」

「ウォータースプラッシュ!!」


「キィインン!」

 スタースティックが音と光を出して消えていった。何度やっても水も、跳ねも出ない。


「無反応か・」


「すみません」

 モニカは悲しくなってきた。


「次、レインコール」

と順番に水魔術を唱えさせて、どれが使えるか調べるシャティ。


「う~ん、やっぱり覚えているのに発動しない。魔力は足りているだろうし杖も合っている」




 フィアがカタリナに言う、

「私はヒーラーではありません。だから教えてあげられません」


「はい」


「カタリナ、メニューを見せてもらってもいいですか?」


 カタリナはメニューを開きフィアに見せる。


Nameモニカ Job Healer EXP 286166 Gold 1525

States

Lavel     22

Hit Point   120

Magic power  100

Attack     65

Guard     85

Magic     180

Magic Guard  165

Agility    144

Luck     105


「魔力結構あるわね、魔術もこれで十分あるかな。モニカより出来そうだから精霊と霊神による魔術について説明するわね」


「はい」


「魔術は言葉を詠唱し魔力を消費して唱えることができます。唱えて放てば魔術が出るのは、その背景に精霊や霊神の存在があり、その力を借りているから使える。

 精霊や霊神は、詠唱し呼べば自分の傍に来ます、だから唱えられる。これを言い換えると魔術行使は自分一人では出来ないということ」


「精霊や霊神も仲間ということですか?」


「仲間にはならないけど、魔術を使い仲間を助けることができる」


「自分の周囲に来るの?」


「詠唱し自分の目で確かめてみて」


「やってみます」

 頷くカタリナ。


「開け、いやしの輪!」

「ヒーリング!!」

 ビショップスタッフの上の方を、目を凝らしてみるカタリナ。杖が光るだけにしか見えないカタリナは首を傾げる。


「もう一度、私は見ているから」


「はい、ヒーリング!!」


「ヒーリング!!」


 ・・・・。






 ダンジョンで修業中のライム達、


「たぁっ!たあぁ!たっあ!たー!」

 掛け声が変わるエルドラ、


「はあぁっ!はあぁっ!はあぁっ!はぁぁっ!」

 努力派で覇気があるヴィンスさん。


「やぁっ!やぁ、やーや」

 腕が固まっていく俺、疲れで腕の力が抜けていき声が出ない。


 そして昼休憩になる。


「あ~辛いしカラッとくるぅ」


「これは、ロックティーという名のお茶で、葉から抽出した汁に水を足したものだ」

 ヴィンスさんが顔をしかめて、隣のエルドラに説明した。


 俺は腕が動かなかった・・。

「ヴィンスさん、修業午後から休んでいいですか?」


「ダメだ!!その状態がお前の限界だ、越えてもらわないと困るぞ」


「越えなくていいでーす」


「その先にお前の未来がある」


「そうですか」

 一日目はすっげぇ疲れ、二日目はその疲れが負荷となり、三日目は早や腕が動かなくなってきている。一日ずっと素振りなんてハードすぎるぞこの修業の日々。






 ベスコは朝、ホパーのギルド一行とダンジョンに旅立った。ゲイル達が一緒に行こうかと聞いたが、自分達でいけるというので彼らに任せた。


「ベスコたち、七階層の迷いの森の準フロアボスどう抜けているのかな?」

 ゲイルが疑問符を投げると、


「それより八階層のグール達の方が謎よ、あんなにたくさんいるのに」

 ハーゼリアがさらに合わせて投げる。


「俺たちは、このままでいいのか?」

 デメグラムは自分たちの行動に疑問を感じ、答えにならず。行動のとれなくなったギルド・マッドの皆は悩んでいた。


 ・・・・・。


 しばらくして、

「とにかくファーストを売ろう。そうすれば街も発展するからな。それでお金が手に入ったらこの世界にある武器と防具、アイテムを買い揃えよう」


「街の進展か。それがダンジョン攻略、リコルチェの回復には早道かもな」

 二つに分かれたギルドの目的はダンジョンマスターを倒すこと。そのゴールまで『目標』というフラグをいくつか立てたい(・へ・)

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