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迷宮ラビュリントス 2

 ダンジョン十二階層に進む一行、狭い洞窟の中でモンスターと戦闘することに。

 そして通路を進む俺たちは、長方形の小さな広場に出た。


「おっと、そこ!」

 背景と同系色で気付かなかった。キメラが二匹そこに座っていていた!こちらを見るなり起き上がる。

 ライオン顔に山羊の体がくっ付き、鳥のような翼を持つ。


「ここで戦うぞ!!」


 戻ると余計に敵が増えてしまう。


「はい!」

「おう!」


 牙を出し襲ってきたキメラ二匹!


「角に行け!」 

と言われたので部屋の右後ろ角に退いた。全身鎧のデメグラムさんがガード体勢で前に出る。それを見たアッキーも隣でカード体勢をとる。

 さらにヴィンスさんがその二人を後から支える。俺も微力ながら真似をした。


「火と水の魔術を頼む!」

 ゲイルさんの指示が続く、 


 その即席の壁に対しキメラが一匹、上から跳んできた!!

 ゲイルがデメグラムとアッキーの間から素早く縦横斜めに一刀、二刀と剣を振るい威嚇した。

 ゲイルを狙おうとしたキメラだったが退くと攻撃が届かず。

 怯まないキメラ2は、わざと隙間を作った左側から襲ってくる、そこをゲイルは剣で突き刺す!キメラは剣が刺さったまま身を引いたので剣が持っていかれた。


「借りるぞ!」

 さらにヴィンスの剣を借りたゲイルは剣を天井に向け構える。

 そして顔が見えたキメラ2の首元を刺した!!


「グゥギャーアアアーッ!!」

 首元に剣が刺さったキメラ2が暴れる。

 キメラ2はデメグラムさんとアッキーの真上に跳びこんできた。二人は乗られている状態で重さに耐える。


 モニカさんは、バリケードが破られてしまうので準備していた炎矢を放つ!

「ファイヤーボウ!!」

 少し離れたキメラに炎矢が当たった。炎が毛え移り顔を焼く。キメラ消そうと暴れ地面を転がる。



 ゲイルの傍のキメラ2は、さらに奥へ剣を突き刺したゲイルさんに爪をたてて引っ掻き回した。

「シャーシュッ!」

「ぐああっ!ぐっぅぅ・・」

 ゲイルの腕をまるごと引き裂くように肉が抉れる。その傷は、骨まで届きそうである。堪えるゲイル。


 デメグラムは、

「押しのけるぞ!一、二の三!!」

の掛け声でアッキーとタイミングを合わせキメラ2を持ち上げ前方へ投げ飛ばす。


 剣がなくなったゲイルとヴィンスは後ろに退く。


「お前たち・・・」

と怒るデメグラムさんに、「まかせる」と言って肩を叩くヴィンスさん。頭にきたが視線は反らせない。デメグラムさんを真後ろから見ると、そこに盾が隠されていた!背中の黒い鎧の一部は盾も取り外しできた。これなら武器の分、アイテムを一つ多く持てる。


「ハーゼリア!」

 指示を出すゲイル。


「まかせて!」


「アクアウェーブ!!」

 波が敵の視界を奪う。さらに波についていくデメグラムはその陰からハルバートで二匹を素早く斬る、ついでにキメラから剣を抜いて二人に投げた。


「いいぞ!」


「こうでなくちゃデメグラム!」


 リコルチェさんはその間ゲイルさんを回復させた、カタリナは詠唱中。


 ヴィンスさんはとびかかってきたキメラに斬撃で向かい討つ、次に左からきたキメラ2の相手をする。俺とアッキーもキメラに剣を振るうが刃が通らない、筋肉なのか硬い防御を破れない。ほとんどダメージは与えられず。俺はほとんど役に立たない。見ているだけ、そして敵を分析・攻撃のチャンスを伺う。


 キメラが体勢を取り戻すと、すぐにカタリナの前に行く俺たち。これならいつでも後方で回復してもらえるはずと弱腰の俺たち。


 ヴィンスは手と足を爪で引き裂かれたが、その後はファーストステップでこれを回避。そこに突っ込むキメラ2。ヴィンスが跳び上がるとキメラ2は体を伏せた。


 かわした。


と思ったら、起き上がると同時にその山羊の角を突き出すキメラ2。


「ブシュッ!!」

「ごほっつ、なんだ・・牙と爪だけじゃないのか」

 角が刺さった腹から大量に血が出ている。カタリナは回復に向かったが、キメラ2の前を横切るのは危険が大きすぎる。ゲイルさんはもう一匹のキメラと戦闘中だし。



 応援がきた。


「ついてこい、ハーゼリア。アクアウェーブを頼む!」


「わかったわ!」


 デメグラムはハルバートで両手斬りを出す!

「シュツ!」

 キメラ2を斬るが牙と爪と角の攻撃は止まらず、デメグラムはハルバートを前へ出し、それを塞ぎクロスガードした。


 攻撃を受けたのでヒーリングを唱える、ダメージに合っていないが仕方がない。


 ヴィンスさんは転がり、俺たちの方へ来た。俺とアッキーはヴィンスさんを掴み避難させた。


 それを追いかけて来たキメラ2、ハーゼリアはもう一度魔術を放つ!

「アクアウェーブ!!」

 キメラ2は身動き出来なかった。


 俺とアッキーが加勢する。

「目だ、目を狙え!」

 数にして四対二で剣と斧を振れば、力の差はあっても急所をつき、キメラ2の目を両方とも潰す。


 視界を奪われたキメラ2は翼を広げる、はばたいて空に飛ぶ気だ。


「ここはいい、離れろ!」

 デメグラムが怒鳴る。


 キメラ2がヴィンスさんを襲う、手負いのヴィンスさんが危ない。目が見えないはずなのだが、どこかに感知するものがあるのか!?


「ズシャッ!ズズッタタッ!バァバサリ!!」

 ヴィンスさんが離れてすぐ、デメグラムさんがハルバート二つで振回の連撃、翼を執拗に攻撃する。翼がボロボロになって血が吹き出した、返り血を浴びるデメグラムさん。


「バタリ」

と音がして、


「ドスッ・・ン!」

 空から地におちて横たわるキメラ2。



 もう一匹のキメラは、ゲイルさんと皆で取り囲み攻撃の嵐。キメラは足の爪を振り回して抵抗する。多少切られてもこれなら問題ない、顔を遠ざけつつ体は寄せて突き刺し、振り下ろしの攻撃を連続で入れる。


 飛んでまもなくキメラは足をダラーンとして、

「!バタッツ、・・・ッタ」


 地面に落ちて消えていった。その直後キメラ2も消えていく。


 リコルチェさんがメニューを開いて敵を確認する。やはりキメラで間違いなかった。

「何か変なモンスターが多いわね」


「たしかに、これまでとは違う」


「あれは、くっ付いているのかもしれません」

 俺は知っているのでそう言った。lなぜなら一つの部位を斬り倒せたので心臓は一つだと思う。三獣分あっても共有している生命力で、急所を突けば血液を失い死んでいった。


「あれは合体か?」


「そんなことできるの?」


「っ・」

 笑を堪えるアッキーを俺は見逃さなかった。そんなロボットみたいなこと出来るかよw。この世界にも二つ以上の物を合わせる合体という技術が存在するのは知っているが。


「合体」


「ふふっ」


 俺はアッキーの耳元で囁いた。手ごたえあり。それに耐えるか。アッキーは耳を塞いだ。


「敵は合体スキルを持っているみたいだぞ!」


「ははははは」


 俺がそう言うとアッキーは笑った。カタリナとモニカさんは不思議そうにこちらを見ていた。まあ、これで恐怖も吹っ飛んだだろう。気を付けないといけないんだけど。



 それから通路を歩く、がすぐに戦闘開始!


「こんな小さな体で何ができる」

 デメグラムがモンスターを潰そうとした瞬間、


「ブ、ブフゥウウー!」

「ぐぁあああっ!!」

 デメグラムが一瞬にして白い絹のような糸に巻き取られた。頭から足まで全身が『巻き糸』のようになっている。

「ごほっ、ごほぉっ!!」


「ちょっと、息ができないんじゃないんですか!!」


 舐めすぎですよw、そんな小さなモンスターが何の目的もなしに顔出しませんって。ちゃんと出現する意図を考えないと。


「何!」


「やばいぞ」

 絡んだ糸を手で引っ張り、切ろうとすると余計に絡みついてきた。さらに俺の手が今度は糸に縛られる!

「くそっ。すごい粘着力だ、この糸!!」


「魔術でモンスターを燃やしてくれ!」 

 ゲイルさんが指示。剣に絡みつくと判断。


「射よ、突き刺す炎矢!」

「ファイヤーボウ!!」


「ボシュッ!ボフッ!!」


「あれ?」


「あっさりと倒せた小さいの」


 メニューで敵を確認、安心していいのか。よかった倒したようだ。


「あの体からあれだけ大量の糸が出るとは」


 体の大きさ以上に糸の量があったように感じられた。


「剣についた糸は後だ、走るぞ!」


 全員で走る。


「また走るの~」

 モニカさんが叫ぶ。


「はぁはぁはぁはぁ!ここまで逃げれば、もう大丈夫なはずよ」


「はぁはぁはぁ!安心できるかわからないけど」


「はぁはぁはぁはぁ!ちくしょう」


 何て穴ぼこが多いフロアなんだ。もう少しいいの作れよ。外は精巧なくせに中はこんなボロイなんて想像できないから。いやそれが趣向だとしたら弱く見せて強い、強く見せて・・・何てことがと考えが錯綜、机上の空論をする。


「糸ですけど、ほら取れます」


「どうやって、取るんですか?」

 リコルチェさんがカタリナに話しかけた。


「こうやって逆巻すれば簡単にとれます。但し手に巻きつきますけど」


「つまり棒を使わなくちゃいけないのね」


 その場合、木の棒を捨てなければいけなくなる。これはアイテムを減らす罠の類か?まさか、糸を絡めとらせ「ほらネッチャリよ」とか言わせるつもりでは!?

 馬鹿か俺は。カタリナの一生懸命な姿を見ると自分の思考回路にあきれてしまった。


 そして体制を立て直した俺たちは歩いた。右に左に上り・下り坂にモンスターとも戦い逃げていった先に人影と火を見つけた!!






 まさか、前日に出発したギルドと合流することになろうとは・・。


「来たな!」


「どうしたんだお前達、こんな場所で立ち止まって」

 ゲイルがエウロに聞くと、


「俺も行こうと思ったよ、だがこの迷宮で迷っちまったらそれこそ一生抜け出せない。おまけに戻ろうにもこれではな」


 俺たちは戻ることを全く考えず走って来たから、何も言えない。


「お手上げってわけ」

 ハーゼリアさんがそういうと、


「いくつもの道が分岐している、その分岐の途中でさらに分岐があって進めなくなった。帰り道を考えて進んできて、これよ」

 バルバラが言う。


「はぁ、そりゃーお疲れだな」

 ゲイルさんは疲れた声で答えた。


「で、どうして俺たちがくることがわかったんだ?」

 デメグラムさんが尋ねる。


「上が騒がしかったからな」


 十一階層と十二階層は別の空間かと思っていたが音まで伝わる所をみると繋がっているらしい。


「そうか、上から来たのか」


「ゲイル疲れか?俺が良かったらリーダーを代わるが?」

とヴィンスさん。


「馬鹿言うなヴィンス、お前やたら格好とか台詞にこだわるだろ。お前がするのなら俺が代わる」

とデメグラムさんがヴィンスさんに言い寄る。


「わかったよ、それなら変わらない」

とゲイルさん。


「で、これからどうするんだ?」


「モンスターは強くなっている」


「そうだな」


「十一階層で俺たちはスフィンクスを相手に勝利したが・・ここではどうも勝てないようだ」


「お前達でもダメか」


「あれは五対四の数で勝てただけ」


「そこで組もうってのか、もしそれなら決まりだが」


「それはよかった。ところで、そこの弱そうなギルドの連中は、別れたらどうだ?」


「ライムたちは仲間だ。まだ弱いが頭が良いし筋も悪くない、これから鍛えていけば俺たちを越える!」


「なに、もうそんな時代が来たのか!?俺たちは何年もかけ上位をとって、まだ日が浅いってのに」


「喜ばしい事か、嘆くべきか」


「それはそうとエウロたちは、どうやってここにきたんだ?」


「俺たちは十一階層の赤い星にスリーピングスターを唱え、魔術の道が開かれて歩いてここまで来た」


「で、ずっとここにいたってのか?」


「当初入り口で休憩した。あとは行けないので二人残し休んでいた」


「寝てたわけだ」


「そうだ。モンスターも、ここでは頻繁に出現しない」


「エウロお前が起きていたのか?」


「俺がやらないで誰がやる」


「そんな体で戦うのは正気の沙汰とは思えないな」


「こんな千歳一隅のチャンスは逃せない。俺たちが進めなかったら、他のギルドも不可能になる」


「組めばチャンスを掴む確率も増えるか」


 話はついた。俺たちはそこからエウロさん、つまりブルーオーシャンのギルドと行動を共にした。




「こっちだ!こっち」

 俺たちは道の長い方にやってきた。


「途中までは、正しい道を見つけている。間違った道はそんな遠くまで通じていない」


「おい、そこはいくな!」


「えっ、まだ行ってないんじゃないんですか?それならこちらは」

 カタリナが言うと、


「そこは落とし穴だ」


「ひゃっすみません。私てっきり行っていない場所だと」


「それはいい、俺たちについてきてくれ。途中からわけのわからない道になる」


 俺たちは三道、二道、四道、三道と分かれた道を歩いた。


「ここからだ、まだ行ってないのは。俺たちの人数ではこれ以上辿れない。気をつけなければいけないのは戻ってこれなくなったらまず道に迷ったということだ」


「それはそうと、これは何ですか?」


「これは正しい道だ、正しい道にこうやって|を描くんだ。ダメなら×をつける、そうすれば行けると思ったんだが分岐する道が多いといけない。

 最後一人に分かれた先でモンスターにあったら、また仲間が途中の道で待っていてモンスターに襲われたらとても一人では太刀打ちできない」


「なら二人で組むのはどうだ?」


「賛成だ」 


 俺たちはペアを組んで調べた。


 まず俺とエウロさん、

「お前はどこから来た?」


「俺はサンサンドの街です」


「それは分かっている」


「まあいい」


 よかった、怪しまれなくて。


 リコルチェとバルバラがペアになる。

「同じヒーラーですね」

「そうなると回復できないわよ」

「そうだ」


「セイロン変わってよ」


「もちろんだよ」


「嬉しいのよねセイロン」


「そりゃー出会いのない街だから」


「始めましてセイロンです」


「始めましてリコルチェです」


「こういう機会でもないと違うギルドの冒険者と話しにくくて」


「まだ仕来たりや決め事がありますからねぇ」

 光源のないフロアはリーダーが松明は持つ係り。戦う時は渡したり地面に置いたり消したりします。

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