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第25話 ダンジョン11階層 鮮明な砂漠の赤青緑黄

 ギルド・マッドとギルド・テリーヌは10階層で生活・修業をする。そこにギルド・ブルーオーシャンがやって来た。

 ギルド・ブルーオーシャンが十一階層の階段を上がっていく。

 俺たちの一日の修業は一通り終わった。


「これで戦闘の基礎は身についただろう」

 ゲイルさんが修業の終わりを告げる。



「カタリナはどれ位早く詠唱できるようになった?」

 モニカがカタリナに尋ねた。


「えっと、時間にして四秒位か早くなりました」


「私も早くなったわよ。中級魔術も失敗しないようになってきたし精霊も少し見えることもあるわー」


「私もたまにぼやけたものが見えるようになりました」



 これで俺たち上位十位以内のランクに入れるくらいになったか?ヴィンスさん達と修業をしていて、偶然だろうが棒が触れることがあった。


「ゲイルさん、技の練習がまだなんですけどこのままでいいんでしょうか?」


「そうだな・・・。これからは個人の努力次第だな。基礎訓練は怠らず毎日練習するんだぞ、ここからはお前たちに任せよう!」


「スキル・技はモンスターと戦闘の時に使うといい」

 デメグラムさんが教えてくれた。


「それでは明日の朝、出発する。各自準備しておくこと!」


「はい!!」


 全員の「はい」という声が重なる。


「はりきってる」

 リコルチェさんハーゼリアさんに話しかけ笑っていた。


「一度休憩にしよう」


 そして昼食と休憩をとる。昼食の飲物は、水にハーブのような植物を入れたものだった。ハーブティーとは少し違う。それを飲んでいた時、ゲイルさんが話しかけてきた。


「ライムたちは、いつから冒険者ギルドになったんだ?」


「いつだったか~」

 勘が鋭くないはず、でも嫌な質問。俺は頭を叩いて惚ける。


「ルーキーは知っているが、そう言えば突然現れたな」


「ええとですね」

 早く答えないと怪しまれる。


「そんな事も思い出せない?これからの冒険が心配ねえ」

とハーゼリアさん、


「まあみんな、ダンジョンマスターの話も聞けたし新人って事もあるから秘密でいいじゃないか」


「秘密って何?」


「男には言えない事だ。もう話はいいから修業を再開しよう。最後の仕上げは剣の鞘を使っての修業だ。それならお前たちも出来るだろ?」


「男はどっちでもいいんでしょ」

とハーゼリアさんは言う。


「3人とも話より修業の事しか考えてない」

とリコルチェ。



 よかった、助かった・・・。


 そして修業を再開した。


「遠慮しないぞ」

 そういうとヴィンスさんは俺に斬りつけてきた。


「はぁっ!」


「カッ!カッカカ!」


「おわっ!ああっ」


 容赦のない攻撃の連続、

「いつか」


「カッカカッ!」


「はい?」


「話してくれよ」


「カッ!シィー、シィーッ」


「はい」


「カッ」



 女たち、

「あなたたちが街に来て、すぐにダンジョンが見つかった。私はあなたたちはダンジョンと無関係とは思えないの」


「そうなんだぁ」


「カッ!カカカ・・」


「その事がダンジョン攻略に必要だと思って」

とハーゼリア。


「私たちはサンサンドの街に長くいますから雰囲気で分かります」

 リコルチェが言う。


「街で見た事ないからって疑わないで」

 モニカが否定した。


「私たち実は精霊です」

 とカタリナが冗談を言う。


「はぁ?」

 ハーゼリアさんが驚いた。


「私は火の精霊です」

と合わせてモニカも答える。


「くっ、言う気はないのね」

とハーゼリア。


「精霊ねぇ」

 リコルチェも苦笑いして話を止めた。


 その言葉を聞いてカタリナとモニカの二人は安心した。




 その日の夕方、


「あいつら戻ってこないな」

 デメグラムが言う。


「二位のギルドだぞ、それはないな」


「知っている」


 ギルド・ブルーオーシャンの事だろう。


「私たちが行く前にダンジョンを攻略しているかも」


「そうね」


「ところでヴィンスさん、今のギルドのランク付けはどうやって付けられているんですか?」

 気になったので俺は尋ねた。


「それは昔の戦闘だ。治安がまだよくなかった頃、水でも木でも岩でも取り合いになっていたんだ。その頃の商人たちは、冒険者を雇って街まで運んでいた。冒険者にはGoldや生活(寝床・食料)を提供していた」


「それは商会のアルスから聞きました」


「その争いで死人が出たから、街でギルドオリンピアを開いたんだ。それでルールを設けた人間同士のバトルによって強さの順位付けがされた。それからは揉め事が減っていった」


「オリンピア一位はエクセアらしいですね」


「そうだ、最後のオリンピアでエクセアが一位になった。ということは例の噂も知っているんだろ」


「はい、エルフ連れは倒されるとかいう噂ですよね」


「そうだ、エクセアは何もすぐにエルフを殺したりはしない。戦争の火種となるエルフが他の職業についてくれれば、あいつらは何も言ってこん」


「知りませんでした」

 真実はそんなに悪くはなかった。


「聞いて安心した~」

 モニカさんはほっと胸を撫で下ろした。


「火種とは?」


「街がモンスターに襲われる原因となる、エルフがその発端らしい。そういう噂があるんだ」


「エルフの噂か・」


「それを追及しようにも、分かるのは一位のエクセアだけだ」


 夕食をとり、その日は明日のため夜に体を洗うことになった。火を魔術で起こし照明とする。魔術で雨や風を出し華麗に洗って乾かしていった。ここまでやれば、かなり手慣れたものだ。

 そして就寝、明日に備えよう。






 ダンジョン11階層 鮮明な砂漠の赤青緑黄


 早朝、食事を済ませ出発する皆。

 灰色の砂地に置いた石に従って(前もって置いたらしい)歩き、洞窟に入っていった。

 松明をつける、中は地面も天井も鍾乳石のような尖がった岩があり、その道をそっと歩いた。天井は水滴が滴りおちて尖った岩となったのでは仮説を立てたが水源は全く見当たらない。

 これまでフロア間は階段が多かったが今回はまっすぐな道。まあデコボコはあるんだけど。

 そして着いた先は摩訶不思議、十階層出口、いつ上にいく動作をしたのだろう。

 誰も異世界に不思議な出来事が起こった理由を求めようとは思わない、俺も然りだが。



 十一階層に着くと松明を消した。モンスターに入り口で見つかりたくはない。先に進んだギルドの話から注意した。

 そこは、真っ暗なフロアだった。


「何もないわねライム」


「そうですね、モニカさん」

 何故そう訪ねたのか一目で俺も理解した。フロア全体、足元には見事砂しかなかったからである。

 もし、この量の砂を外から運んだとすれば膨大な時間と手間がかかるだろう。海も雨がたまったあとと考えれば同じ。まあ自分勝手な解釈だけど、おそらくダンジョンマスターの魔術かなんかでちょちょいとやったのだろう。


「ここは、砂漠のフロアですか?」

 カタリナが言うと、


「暗闇の砂漠だと思う。足元砂だらけでしょ、ザッザッ!」

とリコルチェが相槌を打ち、足で地面を擦る。


「暑くない・」

 アッキーが小さい声で独り言。砂漠なら暑いと思うのは、他の土地に住む人の間違いだ。逆に寒いとか聞くし、そのどちらでもないのは不思議なのかも。


 ゲイル、ヴィンス、デメグラムさんは暗闇の奥に集中する。その緊張感が俺たちに伝わった。

 上位冒険者はいつでも戦闘態勢である。


「涼しいわね」

 ハーゼリアさんがアッキーに話しかけた。


「うん、涼しい」

 人見知りなアッキーも仲間は無視できない。


 みんな表情は見えないが話をする人の方は見ていた。


 しばらくして目が慣れたので、その全貌があらわになった。

 闇だ、闇が広~く続いていて奥行きが知れない。目が慣れた分、見えるかと思ったがその先も闇であった。

 ブラックホールと呼ぶに相応しい異様な空間は、光が闇に飲まれるほどであった。また闇が広がることで光が欠出する形となった。

 今からこの中を歩くのだ。不安な行先の情報を少しでも知りたいので、何度も目を凝らす。

 俺は手づかみで砂をとり感触を確かめた。静かな闇に比例し、砂はひんやり冷たく固かった。


「あっ・・星!」

 リコルチェさんが言った。


 まあ、何か目印がないか探すのは当然だな。流星が一瞬どこかに見えたとしても手掛かりには程遠いが何かは掴めそうだ。光る流れ星なら見えてもよかったはずだが俺は気がつかなかった。


「あそこ!」

 ハーゼリアさんが言った。


 遅れながら空を見た俺の手を掴んで、ハーゼリアさんが星の場所を教えてくれた。


 あれ・・か。


 流星ではなかった、星が光っている。赤い星。点滅していて輝いている。かなり遠そうだ。


「あれは罠じゃないか?」

 ゲイルさんがその光を怪しんだ。

 それもそうだろう、わざわざここだと光る必要はない。居場所を教えているようなもんだ。


「罠の可能性もある、しかし今はそれしか手がないだろ」

とデメグラムさん。


「皆で面白い罠だから見ておくか、ははははは」

 好奇心旺盛なヴィンスさん。普通、自分から罠にかかりますか?


 いやそれにしても、こんなに暗いと進めない。

 そういえば今までのフロアにはみんな太陽みたいな光源があったな。何故か分かるまで不用意に動けない。


「松明用の木の棒はあるか?」

 ゲイルさんが尋ねる。


「ええ、まだ沢山あるわよ」


「危険だが、やってみるか」


 あまりにも暗いので、一度消した松明を灯す。


 松明の木もアイテムになる。食料やポーションを含めると所持できる数も決まってくる。

 魔術はすごい重宝されるが魔力の消費と効果の発現時間という点で扱いが限られる。今の所、照明の魔術は見つかっていない。だから松明が必要になる。


「あそこ、気持ち悪い生き物がいる」

 ほーら、灯りがあれば目の前にいる奇怪な奴らも一目瞭然。第一発見者のモニカさんに続けと俺たちも。

 見れば足元でじゃらじゃらと這うモンスターらしきものがいた。

 俺はメニューを開き確かめた。


 ≪ブルースコーピオン 青い殻で覆われた皮膚をもつ、???≫



 この???表示は、まだ履歴に記載された事がないものだと思われる。

 俺は敵を外見から考察する。体格の殻は青く危険性があり、また光彩から毒や麻痺系の攻撃を暗示させ、その群れが地面を走るわけだ、大群で攻撃される可能性もあり得る。


 試しに松明を近づけたが襲ってこないようだ、よかったそういうモンスターで。


「どうしてこんなに多いのよ。これじゃーまるで式典の絨毯じゃない」

 ギラギラと甲殻に松明の光を反射し、その黒光りが犇めき合うので女性陣が皆気持ち悪がった。


「気持ち悪い~」


「もう見たくない、夢に出てきそう」

 硬直して動かないモニカさんと、足を立てて歩くハーゼリアさん。


「虫か」

 おっと、突然現れる横の声と顔に俺は驚いた。デメグラムさんは興味を示さないようだ。黒い鎧で顔だけ浮いて見えている、良く見ると虫以上に怖いかも。


「何をしているんだ、虫くらいで」

 ゲイルさんは、どちらでもいいようだ。


「みんな、ドア三枚分の幅で群れがずーっと遠くまで列をつくり行進しているのは変よ」

とリコルチェさんは、虫の習性に関心を抱く。


「そうなると、この先に住処か食料があることになるわね」

とハーゼリアさん、


「そうです」

と返すリコルチェさん。


 そうすると、向かう先に何かがある事になるけど・・。


「ついていって襲ってくるかもしれないけどね」

 ハーゼリアさん。


「どうしてそう思う?」

 ゲイルさんが尋ねる。


「ほらっ、列について歩いているけど目だけこっちを見ているでしょ」


「気のせいだ、全員違う方向を見るだろ」


「だから駄目なのよ!」


「なら見ない様にすればいいのか!?」

とゲイルさん。


「見たから見たって線もあり得るぞ」

とヴィンスさん。


「何よそれ、それならみんな見るでしょ」


「そうよ、男たちは単純な生物」

 とリコルチェさんが男の弱点をついた。男は考えることが面倒なのだろう。


「虫以下かも」


「なんだそれ・・俺は見たから見たでいい」

 ゲイルさんは、その一言にショックを受けた。それでも理由を考えない怠け者ゲイルさん。


「ほら、真っ直ぐにしか考えられない」


「自己完結タイプね」


「勝てねーんなら眼をつけるな」

 とデメグラムさん、これは男の味方だ。


「デメグラムさん怒らないで下さい。男と女の趣向や性格を比べても甲乙付けれないんですから」

 俺は口論を宥めた。たかが、虫くらいで喧嘩するとは。


「ブルースコーピオンから離れて歩けば襲ってこないと思います」

 そこで、カタリナが言って一段落ついた。


 しかし、落ち着かなかった。今にも襲ってきそうで。

 青いサソリは危険色。

 昔、蟻が体を這う夢をみて魘されました。それでも抜け出せない夢。

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